くらし 長崎県立大学 シーボルト校研究紹介 Vol.59

長与町に立地する長崎県立大学シーボルト校。すぐ近くの大学でどのような研究が行われているかをシリーズで紹介していきます。

◆攻撃者視点で挑む!サイバーセキュリティ
情報システム学部 情報セキュリティ学科
武仲 正彦 教授

2025年4月に着任しました武仲です。前職では企業の研究所に勤務し、暗号やネットワークセキュリティ、サイバー攻撃対策などの研究開発に携わってきました。私が開発に関わった技術の一部は、皆さんの身近な製品やサービスにも組み込まれているかもしれませんね。

「企業研究者」と聞くと堅い印象を持たれるかもしれませんが、私は会社公認の「グローバルホワイトハッカー」としても活動してきました。製品の脆弱性を発見し攻撃を実証したり、日本の電子政府向けに提案されていた暗号方式を破ったり、攻撃者の立場から暗号方式を破ったり、攻撃者の立場からセキュリティ技術を検証することで、安全なシステムを築くことを目指してきたのです。セキュリティを守るには、攻撃者の視点を持つことが欠かせません。攻撃者はシステムやサービスの一番弱いところを狙って攻撃してきます。攻撃者がどこを狙うのかを理解することで、より効果的な防御が可能になるわけです。

また、私の研究室では現在、「AIセキュリティ」に関する研究を進めています。人間とAIの認識の違いを利用し、AIに誤認識を起こさせることで、人間とAIを確実に区別する新たなCAPTCHA技術の開発に挑戦しています。ネットショッピング等を行うときに「私はロボットではありません」というのを見たことがあると思います。それがCAPTCHA技術です。

さらに、学生にも「攻撃者視点」を大切にするよう指導しています。2025年7月には学生チームがCTF(Capture The Flag)という競技大会に初参加し、全国880チーム中上位15%という好成績を収めました。

サイバーセキュリティは知恵と技術の勝負の世界です。攻撃と防御のせめぎ合いの中で、新しい発想こそが未来の安全を生み出します。武仲研究室では、「攻撃者視点で守る」研究を通じ、次世代のセキュリティ人材を育成していきます。