- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県長与町
- 広報紙名 : 広報ながよ 令和7年5月号
長与にゆかりのある、各分野で活躍している人を紹介します。
◆ペヤンヌマキさん
〈プロフィール〉
1976年生まれ。5歳から長与町に住み、長与小学校、長与中学校、長崎北陽台高校卒業。2010年に演劇ユニット「ブス会*」を立ち上げ、全ての作品の脚本・構成・演出を手がける。2014年『男たらし』、2015年『お母さんが一緒』が岸田國士戯曲賞最終候補作品に選出。また脚本家として、テレビドラマ『来世ではちゃんとします』シリーズ(テレビ東京/原作:いつまちゃん)、『特集ドラマ雨の日』(NHK総合)なども手がける。2022年の杉並区長選挙で初当選した岸本聡子氏に密着したドキュメンタリー『映画○月○日、区長になる女。』を監督、第79回毎日映画コンクールドキュメンタリー賞を受賞。
Q:脚本家や映画監督を始めた経緯を教えてください。
A:幼いころから作品を作るのが好きでした。友達とは、テレビ番組をまねた映像を作って遊んでいたことを覚えています。また、演劇に出会ったことが大きかったと感じています。中学校の部活動紹介で演劇部が披露した演劇をきっかけに演劇部に入り、大学は演劇がやりたくて、早稲田大学に進学し演劇サークルに入って活動しました。演劇を始めた当初は演者として活動していましたが、続けているうちに、脚本や演出などのほうが自分に合っていると感じ、今にいたります。本当は演者も一緒にできたらいいんですけど(笑)。
Q:こだわりを教えてください。
A:作品作りのすべての発端は「自分ごと」と「人間」への興味です。私自身が生きてきてモヤモヤしたことだったり、自分とは異なる人生を歩んできた人の話を聞いたり、悩みを共有したりする中で作品のアイデアが生まれます。演劇、映像、文章など形はその時によって様々です。私の作品を観て、何かを自分ごとと感じてもらったり、何か行動を起こしてもらったり、元気になったりしてもらえることにやりがいを感じています。
Q:苦労したことはありますか?
A:人前で話すことが苦手だと思い込んでいて、作品を発信したいときや、演出の指示をするときなどに苦労することがありました。ですが、転機となったのは「映画○月○日、区長になる女。」の撮影です。岸本聡子さんと出会い、積極的に自分の意見を伝えている姿を見て、自分も岸本さんのようにありたい、変わりたいという気持ちが芽生えました。また、作中には登場しませんが、岸本さんの応援演説をさせていただく機会がありました。当然、苦手なことで、アドリブということもあり、とても緊張しました。ですが、話し始めてみると、意外にきもちいいと感じている自分がいました。今まで苦手と感じていたものは、あまり気にしなくも、出会いやきっかけ、慣れや経験が解決する、なんてことのないものだったと知りました。自分の思いどおりにできないとき、苦手、自分にはできない、能力がない、と思うことは、自分の可能性を狭めるのと同じことだと思っています。
Q:今後の展望を教えてください
A:映画の公開で全国各地へ訪れたことで、たくさんの人と出会い様々な生き方や暮らしに触れることができました。そこから得たアイデアをまた作品にして、様々な場所で発表できたらと思っています。今具体的に考えているのは、ドキュメンタリー映画の第2弾とエッセイ「〇月〇日、区長になる女。を撮る女。」です。
▽町民へメッセージ
私は、18歳で長与を離れて東京での暮らしが長く、これまで長与は実家の両親に会いに帰る場所という感覚だったのですが、長崎での映画の上映をきっかけに同級生と新たな関係を築けたり地元で素敵な活動をされている方々と繋がることができました。長与町での映画の上映も実現したいです。これからは長与に帰る理由をたくさん作って、楽しいアイデアを形にしていきたいです。皆さんのお話聞かせてください。