健康 健康テラス

■市販の点鼻薬の使い方について
たかの耳鼻咽喉科
高野篤先生

今年はスギ・ヒノキ花粉の飛散がかなり多く、花粉症の症状が強かった方も多かったのではないでしょうか。花粉症も含めて、アレルギー性鼻炎の治療は、内服薬、点鼻薬、点眼薬が中心となります。最近は市販のお薬にも内服薬、点鼻薬とも多くの種類が出てきていますが、点鼻薬には使い方に注意が必要なものがありますので、ご紹介したいと思います。
点鼻薬に含まれる成分には、主に(1)抗ヒスタミン;鼻汁の分泌を抑える(2)ステロイド;鼻粘膜の炎症を抑える(3)血管収縮剤;粘膜の血管を収縮させて粘膜の腫れを抑えることで鼻の通りを良くする、といったものがありますが、血管収縮剤が含まれている点鼻薬の使い方には注意が必要です。
血管収縮剤には、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、オキシメタゾリンというものがあり、これらが含まれている点鼻薬は速効性があり、とくに鼻づまりに有効なのですが、長期に連用すると効かなくなり、逆に粘膜の肥厚が永続的に残ってしまう、肥厚性鼻炎を起こすことがあり、場合によっては手術(肥厚した鼻粘膜や粘膜の内側の骨を削るような手術)しか治療の方法がない状態になることもありますので、鼻づまりがひどいときだけ使うような工夫が必要です。