健康 こんにちは 歯科医師です

◆“咬み合せ”って何ぞや(9)
今回は部分入れ歯の“咬み合わせ”について解説します。

部分入れ歯の咬み合わせは、基本的に患者さんが本来持っている咬み合わせに合わせて作る必要があります。また、入れ歯の形態は、歯を失っている部位や本数によって大きく左右されます。そのため、目的や欠損の状況に応じて咬み合わせの設定が変わってきます。概ね次の3種類に分類され、それぞれで咬み合わせの考え方が異なります。

(1)咬むための部分入れ歯
主に奥歯を失ったケースで作製されるタイプです。原則として元の咬み合わせに合わせますが、前歯が過度に接触しないように配慮(前歯を保護)し、奥歯でしっかり咬めるように、従来の咬み合わせよりやや高めに設定することが多くなります。

(2)バランスをとるための部分入れ歯
左右の咬合バランスを整えることを目的としたものです。これも基本は元の咬み合わせに合わせて作製します。多くは片側の少数の歯を失った時に用いられ、積極的に咬むための義歯ではありません。

(3)見た目を良くするための部分入れ歯
見た目の美しさを重視して作るタイプで、主に前歯の欠損に対して用いられます。前歯はもともと積極的に咬む性質ではないため、必要に応じてほとんど咬合接触が起きない(咬まない)ように調整することもあります。
以上が基本的な分類ですが、実際には複数の目的や条件を持った義歯を作ることが多く、咬み合わせは非常に複雑になります。さらに、部分入れ歯特有のバネをかける歯(鉤歯)の状態も考慮して咬み合わせを設定する必要があります。そのため、まったく同じ咬み合わせになる人は一人として存在しません。我々歯科医師などの技術者は、皆さんが部分入れ歯によってより良い咬み合わせとなるよう、経験則に基づく知識と技術を高めるため、日々自己研鑽に努めております。かかりつけ等の歯科医師にお気軽にご相談ください。

次回(最終回)、咬み合わせが人体に与える影響についてご説明します。

大村東彼歯科医師会波佐見班 山辺成志