くらし 令和7年3月 人吉市議会定例会 施政方針(1)

2月25日に開会した令和7年3月市議会で、松岡市長が述べた施政方針の主な内容をお知らせします。施政方針とは、市政運営に対する市長の考えや主要な施策を明らかにするものです。
※広報ひとよし掲載用に表現を変更しています。

本市は、令和2年7月豪雨災害からの1日も早い復旧復興に向け、取り組みの大きな指針となる復興計画を策定。その復興ビジョン実現のため、地域ごとに取り組むべき事業や、まちの方向性について市民の皆さまと協働・連携して創り上げる復興まちづくり計画を策定し、取り組みを進めてきました。特に被害の大きかった、まちなか3地区が連携したまちなかの将来像とプロジェクトを目に見える形で示した「人吉市まちなかグランドデザイン推進方針」を昨年3月に策定したところです。
この推進方針を実現するための具体的な行動指針となる「人吉市まちなかグランドデザイン推進アクションプラン」を策定しました。復興まちづくりの事業や活動のアイデアなどを出し合う合同意見交換会や担い手ワークショップを開催するなど、市民や地域関係者、事業者と対話を重ねて作り上げたものです。3月15日には、今後、担い手として共に事業に関わる人を増やすため「まちなかフォーラム」を開催しました。
今年は、復興ビジョンに掲げる「球磨川と共に創るみんなが安心して住み続けられるまち」の実現に向け、市民の皆さまや関係機関と密に連携を図りながら、地方創生施策と連動したまちなか創生を推進し、本市の新たなステージへの躍進を目指す年です。
まちづくりに完成はなく、まちは常に変化し続けるからこそ、時代の流れを取り入れながらも大切な価値観を守る「不易流行(ふえきりゅうこう)」の精神を大切に、新しい人吉市の創造に果敢に挑戦していくことで、このビジョンが次の世代へと受け継がれる道しるべとなるよう、市民の皆さまと共に一歩一歩着実に未来へと歩みを進めていきます。

■01.青井地区の復興まちづくり
青井地区の土地区画整理事業は、順に宅地造成等工事を熊本県施工で進められています。下青井町に整備を予定している(仮称)西部公園は、地元住民と社会実験を行い、今後の整備に向けて検討を進めています。

■02.中心市街地地区の復興まちづくり
紺屋町土地区画整理事業は全画地の仮換地指定が完了。宅地造成工事等を順に着手します。「交流・文化の場」として位置付けたうぐいす温泉前では社会実験を実施しました。今後も公共空間の活用を検討します。

■03.中川原公園の整備と利活用
災害復旧工事はほぼ完了し、芝生の養生と移動式トイレの工事を残すだけです。ゴールデンウイーク後から日常的な利用の社会実験として同公園を開放するほか、イベントなどの社会実験も民間事業者と協働で実施する予定です。

■04.人吉城歴史館リニューアルオープン
被災した人吉城歴史館は今年5月に復旧工事を終了し、7月中にリニューアルオープンを予定。人吉城跡のガイダンス施設としての機能はもちろん、歴史学習や災害の記憶継承を目的とした施設として運営していきます。

■05.東校区に災害公営住宅完成
大工町と九日町の災害公営住宅が完成し、2月28日に落成式を行いました。3月から入居が始まっていて、今後は仮設住宅を利活用する6団地と共に新たなコミュニティづくりの支援をしていきます。

■06.仮設住宅を改修し利活用
利活用する6団地の住宅改修工事が3月中旬に完了し、4月から入居いただく予定です。災害公営住宅の完成と木造仮設利活用住宅の改修完了で、被災者の恒久的な住まいがおおむね確保できました。

■07.物価高騰に対しさまざまに支援
市民生活・経済支援策として、地域公共交通やLPガス使用世帯への支援、宿泊割引などの観光関連支援に加え、デジタルプレミアム商品券発行など地域経済の活性化を図ります。福祉・子育て支援策として、介護施設などへの支援、買い物弱者への移動販売を行う事業者や保育所などへの支援を行い、さらに医療機関や農家への支援も実施します。

■08.消防団2分団1部の区域を変更
消防団の組織再編について、東校区と西校区が混在している2分団1部について、令和7年度から北泉田町、南泉田町、鬼木町を現在の2分団1部へ、鶴田町を2分団2部の管轄とする区域の変更をします。

■09.国土強靱化(きょうじんか)地域計画を改訂
「災害に強く安全安心なまちづくり」を推進するため令和2年3月に策定した市国土強靱化地域計画について、豪雨災害での教訓、新型コロナウイルス感染症など新たな課題を受け、同計画を改訂し実効性を高めました。