しごと お人よしー人吉で輝いている人ー

■市職員から林業の世界に転身し森づくりに取り組む会社を設立した 椎葉 博紀さん(瓦屋町)
しいばひろき
1978年11月生まれ。球磨郡水上村出身。趣味は釣りと子どもと遊ぶこと。2023年に合同会社木人舎(井ノ口町)を設立。会社名には「木に携わる人が集まる場所」という意味を込めた。なるべく自然に負荷をかけず、持続可能な美しい森林づくりに取り組む。

百~千年単位の時間軸で森林に関わるロマンに引かれました」。緑に包まれた森林の中でチェーンソーの音を響かせる椎葉さんは、3年前に市職員から森林を守り、地域に生かす林業の世界へ転身した。
幼い頃は、林業を営む祖父母との触れ合いを通じて、山仕事や山で秘密基地づくりをして遊ぶなど自然に親しんだ。高校から親元を離れ、人吉高、福岡大への進学を経て、ふるさとへの貢献を志し、平成14年に人吉市役所に入庁。教育、税務、財政、企画部門、国への派遣や広域行政組合への出向を経て、地域を多角的に捉える視点を養った。公務員生活の約半分は地域活性化に携わる部署で働いたことから、もっと自ら地域で実践する仕事ができないかと思い、20年の公務員生活に区切りをつけ、令和4年3月に退職。次なる道に選んだのは、豊かな森林資源に携わる林業だった。
くまもと林業大学校県南校(五木村)で林業の基礎を学び、令和5年に合同会社木人舎(こびとや)を設立。造林・保育から山林管理、森林空間活用、木育まで幅広く事業を展開。最新の大型ドローン導入による省力化などでスマート化も推進し、持続可能な森林・林業の未来を開いている。
「林業は思いやりで成り立つ世界。感謝の気持ちを忘れず、社会課題の解決や地域貢献できるよう、よか森林(もり)づくりにまい進します!」。