- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県荒尾市
- 広報紙名 : 広報あらお 2025年3月号
全国で空き家の増加が大きな社会問題となっています。
現在は空き家でなくても、高齢者施設などへ転居したり、相続した子どもが居住しなかったりなどの理由で、空き家となってしまいます。市でも令和3年度に全戸調査したところ、下のような結果となり、空き家の問題は他人事ではありません。
■荒尾市全戸調査結果(令和3年度)
空き家 1635戸(うち、居住に適さないほど破損している空き家 523戸)
◇空き家を適切に管理せずに放置するとこんなことに!
・状態が悪化して資産価値が下がる
・近隣の人の暮らしにも悪影響がおよぶ
・自身や相続した家族などが困ることに
「将来この家をどうしたい?」「一人暮らしには広すぎるかな」「私たちは住む家があるから、後のことは任せて」など、家族の負担にさせず、使いたい誰かに活かしてもらえるよう、住まいの将来をどうするか話し合ってみませんか?将来の我が家の「活かし方」「しまい方」を考えたり、家財を整理したり、財産や自身の将来を家族や大切な人に伝えたり、先延ばしにせず、あらかじめ行動しておくことも大切です。
空き家の問題で困らないよう、元気なうちから、住まいの将来について家族で話し合ってみましょう!
◆相続登記の義務化
相続登記がされないため、登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地」が全国で増加しています。また、適切な管理がされず放置され周辺の環境が悪化したり、所有者の探索に時間と費用が必要となり民間取引・公共事業を阻害するなど社会問題になっています。この問題を解決するため、令和3年に法律が改正され、これまで任意だった相続登記が令和6年4月1日より義務化されることになりました。これにより、相続したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けられ、正当な理由なく義務に違反した場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。また、相続登記の申請義務化に伴い、相続人が申請義務を簡易に履行することができるようにする観点から、相続人申告登記という新たな登記が設けられました。なお、令和6年4月1日より以前に相続が開始している場合も、3年の猶予期間がありますが、義務化の対象となります。不動産を相続したら、早めに登記の申請をしましょう。
◆空き家対策への補助
◇空家の除却(解体)補助制度
老朽危険空家の解体費用の一部を補助しています。
補助を希望する人は事前調査の申し込みが必要です。
・9次の全てに該当する場合
(1)老朽危険空家である(事前調査で判断)
(2)所有者か相続権利者による申し込み(法人対象外)
(3)申込者に市税の滞納がない
(4)申込者が暴力団・暴力団員・暴力団員と関係がない
(5)施工業者は市内業者に限る
補助額:解体工事費の50%(上限60万円)
事前調査申込期間:例年6月頃
◇空家の家財道具など処分費用の補助制度
空家などの家財道具の処分や樹木伐採・草刈りに要する経費の一部を補助しています。
・9市空家・空地バンクに登録している物件
補助額:家財道具の処分や樹木伐採・草刈りに要する経費の50%(上限20万円)
◆空家・空地バンクの活用
「空家・空地バンク」とは、市役所が窓口となり、熊本県宅地建物取引業協会と連携して売買などの成約を目指す仕組みです。市では、平成28年度から空家・空地バンク事業を実施。令和3年度から「空地」、令和6年度10月から「空き店舗」も登録できるようになりました。
登録数 94件・利用件数 54件
※令和7年1月末現在
◆譲渡所得に係る特例措置
◇空家の譲渡所得3000万円特別控除
空家の相続人が、耐震リフォームか解体工事をした後にその家屋か敷地を譲渡し、適用要件を満たす場合、その譲渡所得から最大3000万円の特別控除が受けられます。
※令和6年1月1日以降の譲渡は、譲渡の時から譲渡日の翌年2月15日までに耐震リフォームか解体工事をした場合、工事実施が譲渡後であっても適用対象になります。
・9次の要件を満たす場合
譲渡価格:1億円以下
適用期間:相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡で期間は令和9年12月31日まで
その他:昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることや相続直前まで所有者が一人で住んでいた家屋とその敷地であるなどの要件あり
◇空家の譲渡所得100万円特別控除
個人が低未利用土地などを譲渡(売却)し、適用要件を満たす場合、その譲渡所得から最大100万円の特別控除が受けられます。
・9次の要件を満たす場合
譲渡価格:用途地域800万円以下/その他の地域500万円以下
適用期間:令和2年7月1日~令和7年12月31日までの譲渡
所有期間:譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超える
※相続した場合、被相続人と通算した所有期間が5年を超える場合も可
その他:譲渡後にその土地などが利用されること(現状のままやコインパーキングなどの利用は対象外)売手と買手が親子や夫婦などの特別な関係でないことなどの要件あり