文化 大阪・関西万博で広がる国際交流 竹田市の中学生、パラグアイ大統領と交流

本市は、昭和48年10月28日にパラグアイ共和国サン・ロレンソ市と姉妹都市提携を締結し、本年で52年を迎えました。今回、4月に開幕した大阪・関西万博を契機に、両市の歴史や文化への相互理解を深め、さらなる交流の基盤を築くため、市民派遣事業を実施。本事業は、内閣官房万博国際交流プログラムの一環として、在日パラグアイ共和国大使館の協力を得て行われました。
派遣団は、応募のあった42人の中から市内4中学校の生徒10人と、一般市民3人を抽選で選び、土居市長や市職員、教職員とともに5月18日から20日の2泊3日の日程で大阪市を訪問。事前学習を通じて、姉妹都市やパラグアイ共和国の歴史・文化を学び、万博の意義について理解を深めました。
大阪・関西万博では、各国が自国の文化を紹介するナショナルデーを開催。日本のナショナルデーは、7月3日に予定されています。パラグアイ共和国のナショナルデーは5月19日に開催され、ペニャ大統領ご夫妻が来日。市民派遣団は、在日パラグアイ共和国大使館の招待を受けて式典に出席し、大統領の演説や伝統音楽や踊りを鑑賞しました。
その後、パラグアイパビリオンがあるコモンズBにて、大統領ご夫妻と交流し、中学生がスペイン語で歓迎のあいさつを行い、「姫だるま」と特製法被を贈呈しました。大統領ご夫妻は、厳しい警備と限られた時間の中でも、中学生のおもてなしに深く感動し喜ばれていました。

■ 参加者の声を紹介します
誌面の都合上、全員分は掲載できませんので、代表して4人の声を抜粋して掲載します。
▽今回の市民派遣事業では、第一目標の大統領に会うミッションを無事に終え、さまざまな国の文化や生活様式、未来に向けた各国の取り組みを知る機会を得ました。私たちもですが、中学生にとっては本当に貴重な体験で、生涯忘れることのない思い出になったことでしょう。初めてのことに果敢にチャレンジし、困難にぶつかっても仲間や周りの人々の協力を得て、自信をもって前に進んで行った中学生たちがこの経験を生かし、これからの竹田市にどんな影響を与えてくれるのか楽しみです。
(一般代表工藤聡美(くどうさとみ)さん)

▽今回の事業で特に印象に残ったのは、ペニャ大統領のスピーチです。「パラグアイは南米の中央に位置し、日本とは遠く離れていますが、戦争を経た復興や平和への願いなど、多くの共通点がある」と語られました。さらに、初めて広島を訪問されたことを知り、大統領の平和への思いの強さを感じました。スピーチでは日系移民の貢献にも触れ、再会を喜び抱き合う場面は感動的でした。
また、中学生たちの努力も心に残りました。スペイン語のスピーチを事前に練習し、緊張の中、大統領に堂々と伝えました。大統領からの温かい言葉は、彼らにとって一生忘れられない経験となったことでしょう。私も数年前から始めたスペイン語の学習が、ほんの少しですがお役に立てたことを誇りに思います。
(一般代表髙橋一美(たかはしかずみ)さん)

▽パラグアイナショナルデーは、パラグアイが今どんな状況で課題があるのか、パラグアイの伝統文化に触れパラグアイをもっと知る良い機会になりました。
今回、大阪万博に行き興味を持ったことが二つあります。一つは、海外への興味です。今まで海外は怖くて、自分には関わりのない場所だと思っていましたが、実際に大阪万博でいろいろな国を自分の目で見て体験してみて、海外にはまだ私たちの知らない未知のものがたくさんあるということが分かりました。二つ目は、未来をつなぎ形にするということです。私たち人類が生存する限り未来は続きます。過去は私たちがつくってしまったものですから、変えることはできません。しかし、未来は私たちがつくり上げていくものですから、変えることができます。例えば、道端に落ちているごみを拾う。この一つの行動で、一つの命が救われました。これはどういうことかというと、一つのごみを外に捨てれば、それをエサだと勘違いし食べてしまう動物たちがいるからです。
このように、自分の足で海外に行き、自分の目で未知のものを知り想像力を高め、自分たちで未来を想像してつなげて形にしていけば、未来はいいものになる。『大事なのは想像力』ということを、今回学ぶ良い機会になりました。貴重な体験をありがとうございました。
(竹田中3年衞藤美咲(えとうみさき)さん)

▽僕が今回の万博派遣で一番心に残ったことは、パラグアイ共和国のナショナルデーに参加して、大統領に直接あいさつができたことです。そのあいさつをするために、スペイン語の練習をしました。僕は一番先にあいさつをする役で、「パラグアイ共和国ペニャ大統領と奥さま、日本へようこそ!」と言いました。若くて鼻が高く、ハンサムな大統領を前に緊張しましたが、大きな声でしっかりお二人を見て言えたので良かったと思います。
竹田市に帰ってきてからも、大統領のニュースを追いかけていました。万博の後に広島の平和公園を訪れ、「平和のために共に闘いましょう」と言っていました。国の代表として、はっきり自分の意見を言えるペニャ大統領は、本当にかっこいいと思います。今回、ペニャ大統領に会えて握手もしてもらえて、本当に光栄でした。僕も将来、ペニャ大統領のように信念を持ったかっこいい大人になりたいです。
その他にも、パラグアイの踊りと演奏はとても楽しかったです。他のパビリオンにも行けました。どこのパビリオンのテーマも独特でした。たくさんの文化に触れることができ、自分の世界も広がったと思います。今回学んだことを活かして、これからもパラグアイ共和国やサン・ロレンソ市について興味を持っていきたいと思います。今回は、このような貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。
(直入中1年成田怜(なりたれい)さん)
※詳しい内容については、市公式ホームページでもご覧いただけます。

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