- 発行日 :
- 自治体名 : 大分県杵築市
- 広報紙名 : 広報きつき 令和7年5月号
■整形外科医常勤について
整形外科部長 北原佳貴(きたはらよしき)
令和7年4月1日より杵築市立山香病院に赴任いたしました整形外科医の北原佳貴です。山香病院では常勤医が不在でしたが、この度常勤医として赴任いたしました。地域の皆さんに整形外科治療を提供できるよう微力ながらも尽力してまいります。
整形外科では外傷や骨・軟骨・筋・靭帯・神経などから構成される運動器官の疾患を扱っていきます。対象器官は脊椎、脊髄、骨盤、上肢、下肢など広範囲に及び、患者の年齢層も新生児から高齢者までと幅広く、実に多種多様な疾患に対応しているのが特徴と言えます。
人が生活していくうえで重要な立ち、歩き、手を使うという運動機能に関する病気やけがを担当しています。運動器疾患による痛みや機能低下は、いずれも自分のことは自分で出来るという人間としての尊厳を危うくするものです。運動器疾患の痛みや機能低下を改善、予防していくことでからだの自立を守り、健康長寿を支えていくことが整形外科に求められる役割となっています。
私は大分大学医学部を卒業後に大分大学医学部付属病院の整形外科の医局に所属しており、これまでは大学病院や県立病院、新別府病院などで勤務をしてまいりました。これまでは一般整形と外傷を主に行ってきました。常勤がいなかったため山香病院では整形外科の手術を行っていませんでした。常勤医としては1名ですが、これまでと同様に大分大学からの非常勤での派遣は継続されるためそちらと協力して、これからは四肢の骨折を中心に手術を行っていこうと考えております。もちろん手術だけが治療ではないため、これまでと同様に外来での保存的な治療やリハビリテーションも継続して行ってまいります。
脊椎など専門性の高い分野や様々な合併症でリスクが高い場合は当院での治療だけでの完結は難しいかもしれませんが、その場合は大分大学整形外科や他の地域の病院とも連携を取って地域医療に貢献してまいりたいと思います。
地域のみなさんの生き生きとした生活を守る一助となるよう精進していきますので、どうぞよろしくお願い致します。
○小野院長より
整形外科常勤は我々の悲願でした。私は11年前に赴任しましたが、様々な経緯で大分大学整形外科からの派遣は困難を極め、粘り強く医局に通う日々でした。地域からは整形外科常勤医の要望が強く、院長の重要な責務となっていました。令和5年4月に大分大学医学部整形外科学教室に新たに加来教授が就任され、これまで以上に派遣を懇願してきた結果、令和7年4月から教授のご厚意で、医師歴8年目の前途有望な北原先生の派遣をいただくことができ、整形外科医が不在だった杵築地域に多大な貢献ができると確信しています。今は手術の再開が待たれ、外傷などによる遠方への救急搬送が減ると期待しています。病院の看板診療科となるように今後も最大限の支援を行う予定です。