くらし 山香病院だより vol.207

■自宅で受けられるもうひとつの医療
~訪問看護という選択~
訪問看護ステーション 副師長 平岡俊一(ひらおかしゅんいち)

訪問看護ステーションで副師長を務めております、平岡俊一と申します。今月は、在宅で受けられる医療サービスとして訪問看護がありますが、その利用についてご説明させていただきます。

~訪問看護とは~
みなさんは「訪問看護」というサービスをご存知でしょうか。病気や障がいのある方が、住み慣れたご自宅で安心して過ごせるよう、看護師がご自宅にうかがい、医療的なケアや生活の支援を行うサービスです。

~山香訪問看護ステーションについて~
私たち、杵築市立山香病院の「山香訪問看護ステーション」は、今年で開設20年を迎え、現在5名のスタッフで、山香町を拠点に市内全域を訪問しています。
訪問看護の良い点は、「その人の家で、その人の時間に合わせて関われること」。話をじっくり聞いたり、日々のちょっとした変化に気づけたりするのも、ご自宅だからこそです。当訪問看護ステーションでは、自宅での支援が必要な小児から高齢の方を対象とし、以下の様な内容で対応しております。
・支退院後の点滴や傷の処置
・お薬の管理
・日々の体調のチェック
・認知症やがんの方のケア
・ご家族様からの相談
病院での治療が落ち着き、自宅での生活をおくる際、「家でちゃんとやっていけるだろうか…」という不安は誰にでもあります。その際、訪問看護師は病院と家庭のつなぎ役として、医師やケアマネジャー、地域の人たちと一緒に、その人らしい生活を支えていきます。「看護」と言っても、注射や医療処置ばかりではありません。ときには一緒に笑ったり、涙したり。そんな関係性が、安心に繋がっていきます。

~まずは相談から~
利用のきっかけは、「退院後が不安」「ひとり暮らしの親が心配」「最近、介護が大変になってきた」など、さまざまです。主治医の先生やケアマネジャーに相談していただければ、訪問看護につなげることができます。もちろん、病院の地域連携室や当ステーションへの直接のお問い合わせも可能です。
「こんなことで相談していいのかな?」と思うようなことでも大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。