しごと 都城をけん引する企業を紹介「企業の力」vol.61

■有限会社南建興業
園芸から建設まで幅広く使われるボラ土は、縁の下の力持ち。山田町山田「軽石」に拠点を置く有限会社南建興業は、この地域特有の資源であるボラ土(軽石)の採掘から販売までを市内で唯一、一貫して行う企業です。
創業者の南曲久洋(みなみまがりひさひろ)会長は製茶業の傍らボラ土の運搬業を行う中でボラ土に大きな可能性を見いだし、平成16年に一念発起して起業。11年前に東京から帰郷した息子の誠さんが3年前に社長に就任し、妻の瑞穂さんが専務取締役として支えています。
「都城産ボラ土の強みは、強度と排水性・保水性の優れたバランス。実は、さまざまな分野で活躍しているんですよ」と瑞穂さんは語ります。野菜や花の栽培だけでなく、農地の暗渠(あんきょ)排水やスポーツ施設の資材にも活用されている同社のボラ土。霧島酒造スポーツランド都城の芝生エリアにも導入され、その水はけの良さに一役買っています。
社員13人のうち半数が60歳以上を占める同社。「薄利多売ではなく付加価値を高め、若い人材を雇用できる体制を整えたい」と瑞穂さんは未来を見据えます。同社は、今年からふるさと納税返礼品の提供にも挑戦。また、宮崎大学と共同で水害リスク軽減が期待できる透水性排水ブロックを開発するなど、ボラ土の可能性を広げる挑戦を続けています。「ボロボロの土と思われていたボラ土は、日本が誇る資源なんですよ」と語る瑞穂さんは、ボラ土が秘める無限の可能性に目を輝かせていました。

有限会社南建興業
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