- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県西之表市
- 広報紙名 : 広報にしのおもて 市政の窓 2025年8月号
「やけのやんぱち日焼けのナスビ。色が黒くてかみつきたいが、あたしゃ入れ歯で歯が立たないよ」
ナスのおいしい季節となり、フーテンの寅さんのたんかを思い出しました。定番の焼きナス、みそ汁にとどまらず、料理方法は豊富です。先日、いただいた白ナスの「ポン酢ステーキ」を試し、満足しました。夏も盛りになって、店先にも季節の野菜がたくさん並んでいます。
市政の窓「種子島の旬の食材をおいしく食べよう」の欄は連載200回を超え、市民の皆様からも好評を得ています。種子島の料理をめぐっては、昭和50年代に食生活改善推進員連絡協議会が郷土料理集「うんまかえ」を発刊し、平成10年に第2集、同27年に第3集が刊行されています。行事食、伝統食の伝承をきっかけに、時代の波も反映して現代風にアレンジしたアイデア料理も採り入れていました。
ところで、冒頭の寅さんは、渥美清主演の映画「男はつらいよ」の主人公ですが、第48作「寅次郎紅の花」は奄美の加計呂麻島が舞台です。寅さんが東京・柴又に帰ってから、茶の間でみんなに島暮らしを語って聞かせる場面があります。
「島暮らしはね、ほとんどお金なんかかかんないの」
「朝は浜に行って漁師さんから魚もらって、それを焼いて朝ごはんでしょ?」(この部分はリリー=浅丘ルリ子)
「昼飯はその辺にあるもん食やいいんだから」
「庭に出りゃあさ、マンゴーやバナナがいっぱい生ってんだよ」
自然風土の豊かさは、島に暮らす私たちの宝物です。手作り野菜のお裾分けが日常的な島暮らしを忘れまいと、草が伸び放題だったわが家の小さな畑にもトマト、オクラ、カボチャの苗が育っていますが、収穫まではまだ時間がかかりそうです。