スポーツ 【特集】リーグH初代女王ブルーサクヤ鹿児島スペシャルインタビュー

6月15日、東京都の国立代々木競技場で、ブルーサクヤ鹿児島は歓喜に包まれました。
日本最高峰のハンドボールリーグ・リーグHで見事、優勝に輝いたのです。
今回はチームを率いた宋海林(ソンヘリム)監督と、キャプテンの河嶋英里選手、女子最高殊勲選手賞を受賞した宝田希緒選手にインタビューを行いました。

―クラブ史上初、シーズン1位通過からの優勝。決め手はなんだったでしょう。
宋:これまでも一生懸命だったけれど、何のために何を頑張るのか、持っている力をどうやったら出し切れるのかという所を選手も私も考えて、チームが一つにまとまった結果だと思う。

―試合直後のインタビューではまだ実感が湧かないと話をされていましたが。
宝田:鹿児島に帰ってメディアの取材を受けたり周りの人に祝ってもらえて、やっと実感が湧いてきましたね。

―河嶋選手はキャプテンとしてのプレッシャーもあったのでは。
河嶋:これまでキャプテンという立場になったことがなくて。どうしていけば良いのか不安はありましたが、いろんな役割の人がいるからチームが成り立って強くなると思っていて、今シーズンはそれぞれが各自の立場で力を発揮できたのかなと思います。

―チームのムードメーカーは。
宋:(川上)真愛(あい)かな。すごくうるさい(笑)。彼女がいるときはすぐ分かる。プレーオフはセミファイナルで声を出し過ぎて、ファイナルは声が出なかったそう。

―今シーズンできつかったときは。
河嶋:正直、一年間ずっときつかったです(笑)。特にプレーオフ前は、なかなか勝てずこのままで大丈夫かなと。私自身、けがをして外から声をかけることしかできなくて、もやもやしました。

―乗り越えられた理由は。
河嶋:みんながこのままじゃ駄目だと思っていて、選手同士でも話し合いましたね。これまで目を背けてきた部分にも目を向けて、最後に詰めることができたんだと思います。
宋:英里が言うように、みんな不安があったと思う。練習でも試合でも、私は選手を『もっとできる』とプッシュするしかなくて、気持ちを強く持ち続けるよう言葉にして練習に取り組みました。選手はファイナルの最後まで、審判にマイボールを主張してましたね。優勝というより試合に勝った、終わったという感覚が強かったとも思う。

―宋監督は最優秀監督賞を受賞されましたが、どのような方ですか。
河嶋:熱い人。ハンドボールに対してだけでなく、勝負事に関して絶対に負けたくないという姿勢を前面に出される方です。求められるレベルも高いですね。
宝田:しょぼんとした所を見たことない。メディアの取材の時ぐらい(笑)。
宋:まだまだ自信を持てていない選手が多い。去年より粘り強くなったとは思うけど、僅差で負けたときはまだメンタルが弱いのかなと。選手が満足しないよう、褒めることはたまにしかないですね。うまくいっても次、次、と課題を出す。

―あまり褒められないですか。
宝田:あまり褒められないですね(笑)。だからこそ、褒められたときはすごくうれしいです。

―宝田選手は女子最高殊勲選手賞を受賞されましたが、そのときの気持ちは。
宝田:びっくりしましたね。レギュラーシーズンは納得いくプレーができなかったと感じていて、プレーオフにはやるしかないと思って臨んで、どこに当ててでも止めてやると、とにかく必死でプレーした結果だったのかなと思います。

―パブリックビューイングもすごく盛り上がっていましたが、地元でのホームゲームは特別ですか。
河嶋:アウェイとは全然違います。地域の方々が来て応援してくださるので、疲れているときも体が軽くなるというか、本当に背中を押してもらえますね。プレーしていてわくわくします。
宝田:すごく分かる。他の試合と盛り上がりが違いますね。ホーム戦は私たちのところが一番です。

―来シーズンに向けて一言ずつお願いします。
宋:まだ終わったばかりなのでなかなか考えられないけど(笑)。シーズンに入ったら切り替えて、運でなく実力で優勝したということを見せたいですね。
河嶋:リーグHになって初代女王になり、そして連覇できるのは私たちだけなので、またこの喜びを皆さんと分かち合いたいです。
宝田:優勝して完璧だったというわけではなく課題もたくさんあるので、来シーズンはもっと納得のいくものになるよう、連覇に向けて頑張りたいです。