- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県さつま町
- 広報紙名 : 広報さつま 2025年11月号
■金属加工×大野究
神子地区川内川沿いの住宅地の一角にたたずむ工場で、加工機に向かい黙々と作業を続ける二人の職人兄弟がいます。今回は、大野工作所の大野究代表に話を伺いました。
「小学生の頃から絵を描いたり、工作物を作ることが好きで、高校卒業後、知人の紹介で大阪府内の町工場に就職しました。そこで機械加工に関する知識や経験を得ながら、帰郷し28歳で起業しました」現在、大阪や県内の取引先から、主に治工具と呼ばれる産業機械の金属部品などの製造を受託しています。
「受託する製品は、金属の塊を切削加工して作りますが、基本的に少量多品種の依頼が中心で、寸法誤差は百分の1ミリ単位の細かい作業が必要な製品が多く、正確性が求められる仕事です」と話す大野さん。この細かな作業へのこだわりは、趣味の世界でも才能を大きく開花されています。
「約30年前から、仕事の合間に絵や漫画を描き始め、気に入ってくれた知人やお店に展示してもらうと大変好評で、これまでいくつか購入していただきました。最近は、木片を削り出して作るミニチュア作品に夢中です」と満面の笑顔で話す大野さん。大野さんの作品は、各所にこだわりがあり、展示物を見た外国人旅行客が購入されたり、風景画が県内企業のCMに採用されたこともあるそうです。
「さつま町には素晴らしい景色や文化が残っており、作品を通じてこの魅力をもっと町内外に発信していきたいです。仕事は生涯現役でボチボチやりながら、新しいアイデアが浮かべば作品づくりにもっと積極的に取り組んでいきたいです」
○大野 究(おおの きわむ)さん(69)
神子地区出身。
妻と猫1匹と神子区に在住。趣味のゴルフが縁で応募したゴルフ雑誌の「ゴルフ川柳」では、雑誌社から『永世名人』の称号を与えられるほどの腕前で、ユーモアに溢れている。
