- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県中種子町
- 広報紙名 : 広報なかたね 令和7年(2025)9月号
■愛着関係って…?
種子島地区基幹相談支援センターも開設から4年目を迎え、お陰様で多くの方にご利用いただけるようになってきました。子どもに係る相談は多く、昨年度は成人の相談2%に対して子どもの相談98%という内訳でした。
ひとくちに子どもに係る相談といっても対象となるのは乳幼児から高校生までと幅広く、相談内容も言葉の発達やコミュニケーションに関する相談、読み書きなどの学習面や、不登校傾向、ゲームが止められないといった行動面に関する相談などと多岐にわたります。
こうした相談を通して毎回強く感じることは、言葉にすればごく当たり前のことかもしれませんが、対象となる子どものことを様々な角度・視点から深く知ることが本当に大切だということです。
例えば、行動の問題を抱える子どものことを考えるときに「愛着関係」という視点はとても大切になります。「愛着関係」とは「特定の人と結ぶ情緒的なこころの絆(きずな)」のことを指しますが、この愛着関係を適切に築くことを学べていない場合、そのことが行動の問題として表れます。いわゆる「発達障害」の診断があったとしてもこの愛着関係の問題を抱えている場合は、身近な大人との心の絆(きずな)を築くための支援なくしては、問題を本質的に解決することは難しくなるでしょう。
愛着関係の問題というとインパクトが大きいですが、決して親御さんの愛情が不足していることが原因ということではありません。親御さんにあふれるばかりの愛情があったとしても、何らかの行き違いのためにこの心の絆(きずな)をうまく結べなくなってしまっている場合があるのです。
愛着関係の問題については和歌山大学教育学部心理学教室教授の米澤好史氏が詳しく、米澤氏は「愛着の問題は何歳からでも必ずケアすることができる」と述べています。それだけに、まずは支援者や養育者が愛着関係の問題に気付けることがとても大切なことと感じます。
この記事が気になった方は、いつでもお気軽にご相談ください。
文責:種子島地区基幹相談 支援センター相談支援員 言語聴覚士 荒木潮彦
【電話】0997-28-3633
お問い合わせ先:種子島地区基幹相談支援センター
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