くらし 600年の歴史を誇る 香り豊かな酒 泡盛(2)

■七蔵対談
市内にある七蔵の方と泡盛について熱く語り合い、紙面が足りないほど、情熱や使命感、葛藤など様々な思いがあふれていました。全文は、右のQRからお読みいただけます。
対談者:武田 智(沖縄県酒造協同組合 専務理事)、玉那覇 美佐子(瑞穂酒造 社長)、識名 研二(識名酒造 社長)、佐久本 学(瑞泉酒造 社長)、津波古 章(津波古酒造 社長)、平良 正諭輝(久米仙酒造 顧問)、宮里 徹(宮里酒造 社長)

Q.泡盛の魅力はなんですか。
武田:琉球王朝時代から約600年の歴史があること、沖縄原産の黒麹菌を使って独特の風味を出せる点が挙げられますが、一番の魅力は古酒(くーす)です。泡盛は、時間をかけて寝かすほど熟成が進み、まろやかで香りも豊かになります。
津波古:どんな料理にでも合わせられるのが魅力です。食中酒として泡盛をお勧めしたいです。
宮里:水とお米、それ以外何も使用していません。麹菌、酵母は加えますが、それは添加物ではありません。微生物の働きだけで期限のないお酒(古酒)が造れます。それと、世界で最も古い近代酒の一つ。今はインターネットですぐに調べられますが、当時はどのように情報を集めて、独創的なものを生み出したのか。その製法と歴史は、我々も大変誇りに思うところです。
玉那覇:蒸留酒ですので、製法も含めて応用がきくのも魅力の一つです。あとウイスキーとは異なり、泡盛は瓶に移した後でも熟成する。これは本当に凄いことだと思う。先人からの遺産は大きいです。

Q.泡盛が瓶に移した後でも熟成するメカニズムは解明されていますか。
平良:全麹仕込みが大きく関係していると思う。
津波古:水との調和とか、アルコールが変化してまろやかになるっていう話だと思うんですけど、はっきりわかったら面白くないんですよ。解明されない方がいい。人工的にできたらつまらないじゃないですか。時間の経過が醸し出す方がロマンがあるよね。
平良:古酒はね、時間があたえるんですよ。
玉那覇:お金では買えない時間ですよ。
識名:人と同じで、まろやかになりますよ。

Q.話を戻して、次に平良様の思う泡盛の魅力とは
平良:沖縄の位置関係が影響を与えたと思います。王朝時代、流通の拠点となり様々な地域と交易を行ったからこそ小さな王朝が発展していけた。そこで泡盛が王朝の中でしっかり管理され、受け継がれ、私たちのもとに伝えられてきた。歴史的要因がいっぱい詰まったのが泡盛。
佐久本:世界的にみても、消費者が購入した後も熟成されるお酒はないと思います。例えば、こどもが生まれた時に泡盛を買って、二十歳になったら一緒に飲むとかね。こどもの成長と共に泡盛も熟成していく。あとは、仕次ぎ。口にするもので消費しながら継いでいけるのは世界的にもあまりないと思う。それが世界にも通用するものだなと思っています。
識名:仕次ぎで各家庭のお酒ができる。それが魅力です。各家庭で数十年と孫の代まで受け継いでいけばかなり良いお酒ができる。これは買ったときの商品ではない、○○家のお酒になる。

Q.仕次ぎは、難しいイメージですが…
識名:誰でもできます。飲んだ分、減った分だけ泡盛を注ぎたせばいい。A社とB社の泡盛をブレンドすると、それぞれの良さが混ざりあって美味しいお酒ができますよ。

Q.おすすめの飲み方を教えてください。
武田:ストレート、ロック、水割り、お湯割り、炭酸割り、カクテル。自分好みのお酒がつくれる。また、焼酎はアルコール度数が基本25度ですが、泡盛は25度、30度、43度、更には一般酒から古酒まで沢山ある。これも魅力。あと、泡盛は水を加えても風味や香りがあまり薄まらない。「のびの利く酒」っていうのが特徴。
玉那覇:色々な飲み方ができるため、お勧めは好みによって様々あります。
佐久本:「どの料理にも、どの飲み方でも合いますよ」って言ってもなかなか伝わらない。25度の焼酎を6:4で割って15度でお勧めするように、泡盛も30度の場合は1:1で、43度の場合は1:2で割って、そこから微調整するのもあるかと思う。
平良:私は、古酒に限定すると、なるべく割らずにストレートで飲んで欲しい。それだけの味わいを持っていると思っている。

Q.ストレートやロックは、泡盛が好きな人、お酒が好きな人は飲んでみようとすると思いますが、泡盛が苦手な人、強いお酒というイメージで少し敬遠している人に提案する飲み方はありますか。
津波古:女性の方にも飲んで欲しくてカクテルにしたり、度数を落としたりしてきたんですけど、私はそういう人こそちぶぐゎー(おちょこ)に入れて舐めるように少しずつ飲んでくださいって提案する。その方が美味しいと思う。
宮里:飲みやすいお酒は導入としては重要ですが、飲みやすさを意識して造ると味わい深く濃厚な他にはない深さが失われて取り戻せなくなる。また、度数を下げると蒸留酒の宿命で水の匂いが勝ってお勧めしづらい。ただ、比較的飲みやすくする方法はあると思う。例えば、度数の高いものは、なかなか凍らないので冷やして舐めてみると、なんとなく甘さを感じられたり。
武田:やはり古酒を飲んで欲しいですが、最初に飲む泡盛としては少しハードルが高い気がします。まずは水割りから飲んで徐々に泡盛の良さをわかっていただいて、古酒をストレートで味わっていただけたらなと思っています。
識名:やっぱりお酒は楽しく飲まないと。素敵な仲間と会話を楽しみながら飲む。これが私のおすすめの飲み方。
津波古:ワイングラスに入れて15度ぐらいに飲みやすくして提供しているワインバーのお話を聞いたことがあって、好評だそうです。だから容器って大事。その時に、15度ぐらいに割る場合は、前日に割っておくともっと水との相性がよくなって飲みやすくなりますよってお伝えしました。
識名:飲み方って大事かもしれないね。最近は、かっこいいグラスで飲むっていうのも必要ですよね。