しごと 【特集】体験リポート! 介護の虹の7K(1)

7Kとは
「希望」「期待」「感謝」「感動」「感激」「可能性」「快適」のこと

高齢化が急速に進み、介護の仕事の需要が高まっていく現代。
皆さんは「介護の仕事」と聞いて、どのようなイメージを抱きますか。
食事・入浴・排泄の介助をしている場面や「3K(きつい・汚い・危険)」という言葉を思い浮かべる人が多くいるのではないでしょうか。
しかし、ICT(情報通信技術)などが進化していく今、果たして介護の現場は本当に3Kのままなのでしょうか。
今回の特集では、広報職員が実際に介護の現場を体験し、現在の介護の仕事がどういうものなのか、お伝えします。

■全国の介護の仕事のいま
介護業界全体は、従来のイメージからどう変化しているのでしょうか。国などが行った調査等の結果を見ると介護の仕事は、日々働きやすい環境へと変化し続けています。

◇お給料
・78%(*1)の事業所で給与等引き上げ
国の「介護職員処遇改善加算」等の後押しもあり、年々給与待遇は改善傾向にあります。

◇最新技術の導入
・最新技術導入で、働きやすさ向上
書類のデジタル化や見守りセンサーなどの活用で業務負担が軽減し、働きやすさも向上しています。

◇力仕事
・介護ロボット導入等で身体的負担を軽減
近年では、介助者を補助するロボットの開発・導入により、介護職員の身体的負担の軽減が進んでいます。

◇離職率
・全業界平均よりも低い
国などの調査(*2)(*3)によると、全業界の平均離職率は15.4%に対し、介護職の平均離職率は13.1%でした。

◇ワークライフバランス
・57.7%の施設が残業なし
57.7%の施設が「残業なし」、24.3%の施設が「5時間未満」と調査*2で回答し、仕事と私生活を両立しやすくなっています。

◇業界の今後
・超高齢化社会で需要が高い仕事
令和19年には人口の3人に1人が65歳以上になる見込みです(*4)。今後の需要を見込み、多様な企業が参入しています。

*1「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(厚生労働省)
*2「令和5年度介護労働実態調査介護労働者の就業実態と就業意識調査」(公益財団法人介護労働安定センター)
*3「令和5年雇用動向調査結果」(厚生労働省)
*4「令和6年版高齢社会白書」(内閣府)

■滝川市の介護事情
では、滝川市の介護の状況はどうでしょうか。
令和7年3月末時点で65歳以上の人のうち要支援・要介護の認定を受けている人の割合(以下、要介護認定率)は、17.8%と全国・北海道と比較して低い数字になっています。
しかし、「第9期滝川市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」において、令和12年には要介護認定率は19.5%に上昇する見込みです。
それに伴い、令和22年に市内では、161人の介護人材が不足するとされています。

◇要介護認定率

参考 厚生労働省地域包括ケア見える化システム

■介護の7Kってどんなもの?
介護の7Kとはどんなものなのか、市内の介護職の方にとっての7Kを聞いてきました。

◇希望
利用者に介護をとおして希望を与え、生きる糧となることができます。

◇期待
利用者の思いを大切に、人生に寄り添う伴走者としての役割が期待されます。

◇感謝
「ありがとう」や「笑顔」がもらえます。それだけでやりがいとなり、力になります。

◇感動
介護を通して利用者と喜びの気持ちを共有するなど、心が動く瞬間があります。

◇感激
人生の最終ページをともに彩らせていただける喜びがあります。

◇可能性
家庭や学校では学べないような社会性を、経験豊かな利用者から学ぶことができます。

◇快適
利用者にとって心地良いケアをすることで、心が通じ、穏やかな時間を共に過ごすことができます。

■INTERVIEW
介護老人保健施設 シーザーズ介護職
佐賀 文哉さん

実際に介護の現場で活躍する職員に、介護のリアルな声を聞きました。

◇介護の仕事に就こうと思ったきっかけ
今まで進学の際、周りの人の意見を聞いて、進路を決めてきました。就職活動でも周りのすすめる業界を受けていましたが、自分のやりたい仕事ではなかったので続けていけるか不安でした。
その時、小さいころによくいろいろな人に言われた「介護の仕事向いてそうだね」という言葉を思い出し、未経験ではあるものの、介護の仕事をやってみようかなと考えました。
そのような中、今の会社とご縁があり、声をかけてもらったことがきっかけで、はじめて自分で決断して、介護の仕事に就きました。

◇介護の仕事のやりがい大切にしていること
介護の仕事に就いてみると、もちろん大変なことはありますが、利用者さんと日々楽しくコミュニケーションをとることや、利用者さんから感謝の言葉をいただいたり、笑顔を見たりしたときは、やりがいを感じます。利用者さんから頼りにしていただけるのはうれしいですが、うぬぼれず、日々努力していきたいです。
介護の仕事は、人対人の仕事です。利用者さんのことを第一に考え、快適で安全に過ごしてもらえるよう心がけて仕事を行っています。
例えば、利用者さんに声をかけるときも、大きな声を出さず、笑顔で優しい声がけをするようにしています。

■現場で活躍する 介護ロボット
介護職員を支えるため介護ロボットが現場で活躍しています。今回は介護ロボットの6分野を紹介します。

◇移乗支援
ベッドや車いすなどの間の移乗の補助やパワーアシストを行う

◇移動支援
高齢者の転倒予防や歩行を補助、移動支援を行う

◇排泄支援
最適な時間にトイレへの誘導やトイレ内での衣服の着脱を行う

◇入浴支援
浴槽をまたぎ、出入りする際の一連の動作を支援する

◇見守り・コミュニケーション
センサーで転倒や立ち上がりを検知するほか、コミュニケーションを行う

◇介護業務支援
介護業務の情報を蓄積して、それを基に必要とする支援に活用できる