- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道上ノ国町
- 広報紙名 : 広報かみのくに 令和7年7月号(No.767)
■認知症の方への地域の気配りの大切さについて~住み慣れた地域で暮らす~
今月は 認知症地域支援推進員 山下 貴子 です
皆さん、はじめまして。今年4月から地域包括支援センターの認知症地域支援推進員として着任いたしました山下貴子と申します。これから皆さんのお力になれるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今回は、認知症地域支援推進員の立場から実際にあった認知症の方の事例をもとに、改めて見守りなどの地域による気配りの大切さについてお伝えします。
◇実際の事例
Aさん(80代)は夫(90代)と2人暮らしで、散歩を日課としていました。ところが、昨年夏頃から家に帰れなくなり、地域の方に自宅まで送ってもらう姿がみられるようになりました。それは徐々に増え、地域の方は繰り返すAさんの行動に「認知症ではないか?」と思いながらも、Aさんを見かけるとさりげない見守りや声をかけてくれたことで、少なからず危険を回避しこれまで通りの生活を送ることができていました。
さらに、地域の方は夫にもその状況をきちんと伝えていたため、夫自身も徐々にAさんの認知症を理解し受容できたことで、徐々に手厚い支援(介護)を行うようになりました。
地域の方の何気ない気配りが、認知症を患う本人の生活のリスクを軽減した他、家族にも接触していたことから、家族としても本人の認知症を受け入れることができ、安全な環境を考えるに至った事例でした。
◇地域による支援の大切さ
認知症は脳の病気で、個人差はありますが、記憶の障害以外にもさまざまな症状があります。この影響で認知症を患う本人の生活が不安定になったり、他者との関わりにも支障を来すようになったりするため、地域から孤立してしまうことなどがあり、特に独居の方はさまざまなリスクを伴います。
少子高齢化の影響により、取り巻く人的資源は少なくなっている中で、地域の方々によるさりげない見守りなどの気配りは、少なからず本人や家族が抱える不安や負担の緩和につながっていくため大事なものだと考えます。
認知症は誰でも発症する可能性があります。“他人事”ではなく“我が事”として考え、自分ができる活動をしてみることで“地域のため”になり、もし自分が認知症になったときは“自分のため”になるものと思っています。
問合せ:地域包括支援センター
【電話】0139-55-4460