子育て 令和7年度 教育行政執行方針(2)

◆3 豊かな自然を保全し、心豊かに、ともに支え合う人を育みます。
(1)地域資源を活用した生涯学習
生涯学習を通して、町民一人ひとりが自己を磨き、活躍していくための学びの継続が求められています。自然体験活動や社会教育活動、文化芸術活動、ボランティア活動などのあらゆる機会において学び、その成果を地域社会に生かすことのできる「学びの育ち」を支援する環境づくりを進めてまいります。
地域の課題解決に対し、町民が自主的に考え、つながりを持ち、活力ある学びと地域づくりを推進するため、地域づくり振興会を中心に、地域づくり支援員と連携を図りながら、地域コミュニティの形成に努めてまいります。

◆4 文化、スポーツの環境を整え、機動的な組織づくりを進め、ふるさとを愛する人材を育みます。
(1)豊かな地域を育む生涯学習
大人も知・徳・体の調和のとれた力を養うことは大切です。健康を維持して必要な知識・技能を学び、暮らしの中で生きがい、やりがいを感じられることを期待するものです。活動拠点となる生涯学習・スポーツ施設は、安全かつ快適に、誰もが利用しやすい施設づくりに、引き続き、取り組んでまいります。
文化団体連絡協議会や文化芸術鑑賞会友の会などが主催する文化祭、各種文化事業の支援及び指導者の養成に努めるほか、多文化共生社会に向けて町内で生活する外国の方々が参加しやすい学習・交流の機会づくりを図ってまいります。
総合町民センター改修事業は、老朽化に伴う更新時期に併せて、「つどう、まなぶ、むすぶ」をテーマに町民の利用形態の変化を踏まえ、ロビー機能の充実や音響設備の更新、調理室の移動、環境に配慮した床等の一部木質化や太陽光発電設備を設置するほか、放課後児童活動の集約化、また、災害時の避難所機能が充実した施設として6月に着工を予定しております。工事期間は、町民の皆様には代替施設を利用いただくことになり、教育委員会事務局は役場2階に移動いたします。生涯学習などの場として御利用いただいている皆様には御不便をお掛けしますが、御理解くださいますようお願い申し上げます。
豊幌地区生涯学習館は、平成10年以降地域の生涯学習の場や郷土品の保管展示などに使用してまいりましたが、老朽化が著しいことから閉館いたします。現在ある学校に関わる資料等は、今後、地域の方と御相談して保管してまいります。
ふれあいの森情報館では、友の会活動や文化団体の発表などの活動を展開し、読書に親しむことに加えて、生涯学習の機会づくりにも努めてまいります。
スポーツについては、スポーツ推進委員や体育協会加盟団体などの協力により、各世代の多様なスポーツ・運動体験の場づくりやスポーツ少年団活動への支援を行い、また、指導者の育成と指導力の向上にも努めてまいります。
市街地一周ミニ駅伝大会、全道シニアandレディースパークゴルフ大会の開催を通して、町民の参加や応援などから町の元気づくりにつなげてまいります。
ブナセンターでは、環境教育と体験型交流や自然情報の発信、木育事業や森と健康づくりをつなげる森林療法の普及・森林サービス産業の活動を実行委員会で進めるなど、北限のブナの町にふさわしい活動に取り組んでまいります。
オートキャンプ場では、運営経費が高騰していることから、使用料単価を20年ぶりに増額いたします。新しい集客をめざしたイベントを観光協会と連携し、5月に行うとともに、広いサイトなどの特色を生かした施設運営に努めてまいります。
中学2年生を対象にした世界文化遺産・西予市交流体験学習は、平和や命の尊さを考えるとともに、姉妹市町の愛媛県西予市を訪れ、異なる自然環境、歴史などに触れ、広い視野と豊かな感性を身に付ける貴重な体験であることから、引き続き、実施いたします。

(2)地域文化の保存・活用
郷土の近代生活史や文化、生活民具など貴重な資料に目を向け、次代につなげる学習機会を設けるほか、郷土資料保存サークルとともに地域文化の保存・活用に努めてまいります。
本年は、三村合併し70周年を迎えることから、郷土品を展示している生涯学習館において見学会を実施、また、黒松内山道を紹介するパネル作成などふるさとを知る機会をつくってまいります。

◆5 こどもの学びの環境や、生涯学び続けられる環境を整えます。
(1)学びを支える環境整備
コミュニティ・スクールと地域学校協働本部において、学校と地域・町民を結びつけ、これらが両輪となり、学校における学校支援活動、家庭教育支援活動などから、地域社会とつながりある教育課程の編成や授業の展開に努めてまいります。
児童生徒に質の高い教育を保障するには、学校内の心理的安全性が確保された体制づくりが重要です。
併せて、教職員の授業力向上や生徒指導力の資質・能力の向上が求められており、全校の教職員による研修のほか、各校ではミドルリーダーの育成や校内研修を重ねるとともに、研修履歴を活用した対話に基づく各種研修会への参加を奨励してまいります。
教員の働き方改革の目的は、勤務時間を減らすことだけではなく、教育の質の向上です。中でも、部活動の地域展開を進めるには、指導者や活動経費の確保、他の町村にある学校との調整等の課題が多いですが、学校の役割、部活動に求める生徒の意識などを把握し、保護者などとも協議をしてまいります。
※「こども」の表記…II主要施策の展開の各項目は、総合教育大綱と合わせており、こども家庭庁の推奨表記としています。

■III おわりに
以上、令和7年度の教育行政執行方針について申し上げました。
国の教育振興基本計画では、「持続可能な社会の担い手の育成」と「日本社会に根ざしたウェルビーイング」のコンセプトが示され、持続可能な社会を維持・発展させる人材育成と、地域におけるつながりや協働性、多様性などを理解し、幸せ・豊かさを感じられる状態をめざすものです。
先人のたくましい開拓の心と緑に囲まれた美しい自然を受け継いで、ふるさと黒松内を愛し、夢を抱き広い世界に向かう子供たちと、そして、町民の心を育むことであります。
また、人口減少が進み、行政・地域における各活動の担い手の確保や小中学校の配置の在り方など、これら課題の検討が求められています。
行政のみならず、学校、各関係機関・団体との連携を図り、子供の未来を育む家庭教育、そして豊かな地域をつくる生涯学習を推進させ、本町教育の更なる充実発展に取り組んでまいります。
町民の皆様及び町議会議員の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。