- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道黒松内町
- 広報紙名 : 広報くろまつない No.566 令和7年7月号
「夏だから川に貝化石掘りに行こうかな」と思えるのは黒松内ならでは。
このまちの貝化石に関する最新トピックスをご紹介します。
◆Topic01 町内小学生より貝化石を寄贈頂きました
昨年、黒松内小学校6年生の化石堀りの授業の際、寄贈して頂いた2つの珍しい貝化石をご紹介します。実物はブナセンターに展示してありますので、ぜひ見に来てくださいね。
(1)カメホウズキチョウチン〈腕足類〉
約6億年前から世界中の海岸に生息している腕足類(わんそくるい)に分類されています。腕足類は二枚の殻(から)を持ちますが、貝ではありません。2024年に寄贈されたカメホウズキチョウチンは、ブナセンターで所蔵する最大のサイズです。
(2)ヌノメアサリ〈マルスダレガイ科〉
殻(から)の表面は、縦の筋と横の筋が細かく交差していて布目のようです。この貝は、1989年に黒松内の化石を調査した論文※に記録があるのみで、現物は今までブナセンターにありませんでした。
※鈴木明彦(1989)「西南北海道黒松内地域の瀬棚層の貝類化石群」地球科学第43巻5号p.277-289
◆Topic02 WANTED!この貝探しています
◇マテガイの仲間〈マテガイ科〉
1989年に黒松内で記録されていますが、所蔵はありません。20年以上前、小学生が堀り出したのを、化石ボランティアの亀水さんがいちど見たきりとのこと。
特徴はしかくいこの形!前後に長く伸びた長方形。殻の表面は平ら。
・発見した方はブナセンターまで御一報を!
◆Topic03 黒松内の化石が教科書に!(R7年度発行)
中学1年生向けの教科書『東京書籍新編新しい科学1』に、本町の瀬棚層(約100万年前の地層)から産出した絶滅種《トウキョウホタテ》の写真が掲載されました。
化石になった生物がどのような生活をしていたかを考えることで、その時代の環境が推測できます。トウキョウホタテは、当時の環境を探る手がかりである「示相化石」の例として登場しています。
貝化石を掘って手にしたら、当時の海を想像するもよし、100万年の時の流れを感じるもよし。
この夏は、ぜひ貝化石を掘りに行ってみましょう!