- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道蘭越町
- 広報紙名 : 広報らんこし 2025年4月号
令和7年第1回蘭越町議会定例会の開催に当たり、所管いたします教育行政の主要な方針について申し上げ、町議会議員の皆様をはじめ町民の皆さんに一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。
令和7年3月3日 蘭越町教育委員会
令和6年度における教育行政の執行につきましては、町議会並びに町理事者の御理解の下で、町民の皆さんをはじめ関係者の御協力をいただきながら、業務が円滑に推進できましたことを、心から感謝とお礼を申し上げます。
令和7年度におきましては、第6次蘭越町総合計画(後期計画)並びに蘭越町教育推進計画を念頭に、全ての子どもが確かな学力と豊かな心を身につけ、また、町民一人ひとりが学ぶ楽しさや喜びを感じ、地域の絆を大切にしながら、住みよい地域社会づくりに貢献できるよう、学びの環境づくりや学習機会の提供、スポーツ活動等への取り組みを推進してまいります。
所管いたします「学校教育」と「生涯学習」の具体的な施策について、蘭越町教育推進計画に示した基本方向に沿って申し上げます。
■学校教育の充実
学校教育につきましては、具体的な5点について申し上げます。
(1)社会で生きる力の育成
児童生徒の確かな学力の向上を図るため、全国学力・学習状況調査等の結果を適切に分析し、その成果と課題を各学校と共有するとともに、継続的な検証改善サイクルの確立と教育指導の充実や学習状況の改善に努めてまいります。
また、児童生徒の状況に応じた学習を支援するため、各学校には引き続き「学習支援員」を配置してまいります。
言葉の発達や学習面、行動面等で支援を必要とする児童生徒が年々増加している中、子育てに悩みを抱えている保護者も多くいることから、引き続き「教育相談支援員」を配置し、未就学も含めた教育相談を実施するとともに、特別な支援や配慮を必要とする児童生徒が、安心して学校生活を過ごすことができるよう、特別支援教育の充実を図ってまいります。
小学校、中学校に開設している通級指導教室は、子どもの特性に合わせた個別指導による教育支援のニーズが高く、利用者も増加していることから、教室の安定運営に努めてまいります。
国際理解教育につきましては、幼稚園・保育所・小中学校・高校が連携し、国際社会に対応できる人材と英語力の向上を図るために設立した「外国語教育連携推進会議」を中心として、より充実した英語教育の推進に努めるとともに、「外国語指導助手(ALT)」や「外国語活動支援員」を引き続き配置し、英語力の向上を図ってまいります。
GIGAスクール構想(全国の小中学生に一人一台端末を配布して時代の要請に応える学びを目指す構想)を踏まえ導入した「学習用タブレット」につきましては、本年度で整備を終えることから(2カ年更新)、新たに「オンライン学習ドリル」を導入し、ICT(情報通信技術)の効果的な活用を進めてまいります。
また、電子黒板の追加整備等、学習環境の充実を図るとともに、教職員の指導力を高める研修を実施し、全ての児童生徒の可能性を引き出せるよう、教育の質の向上に努めてまいります。
(2)豊かな人間性の育成
様々な人との関わりなどを通して「思いやり・感謝」の心や「命の尊さ」など、社会性や豊かな人間性を育むため、家庭や地域と一体となって道徳教育の充実に努めてまいります。
いじめ問題につきましては、「蘭越町いじめ防止基本方針」を基に、いじめアンケートを注視し、いじめの未然防止、早期発見・早期対応を徹底するとともに、家庭、地域、関係機関との連携を一層強化し、いじめを許さない態度を育てる指導に努めてまいります。
また、不登校や悩みごとを抱える児童生徒・保護者への支援として、日頃からの各教職員間の情報共有と併せ、スクールカウンセラーの配置時間等を拡充し、いつでも相談しやすい環境づくりを進めながら、個々の状況に応じた適切な学びの場の提供に努めてまいります。
(3)健やかな体の育成
全国体力・運動能力、運動習慣等調査の分析結果を活用した授業改善に取り組むとともに、児童生徒の体力・運動能力を把握し、効果的な能力向上に努めてまいります。
学校給食の運営につきましては、児童生徒の健康の保持増進と食事に対する正しい理解が得られるよう、学校と連携して食育の推進を図るとともに、施設・設備の維持補修及び衛生管理の徹底に努めてまいります。
また、給食調理員の退職等による欠員補充が容易ではなく、厳しい人員体制の中、本年度から調理業務の運営を民間業者へ委託し、安定した調理人員を整えるとともに、物価高騰による賄材料費の影響分については、子ども・子育て基金を活用し、現行の給食費を維持しながら、安全・安心で美味しい給食の提供を図ってまいり
ます。
(4)学びをつなぐ学校づくりの実現
複雑で多様化する学校教育の課題に適切に対応するため、学校教育アドバイザーを配置しておりますが、本年度は2名体制とし、小中学校の更なる学習指導の充実と教職員の指導力の向上を図ってまいります。
学校段階間の連携・協働の推進につきましては、小中連携を強化するため設置している教育課程交流会において、教育課程の編成と実施、指導方法の工夫改善を図り、9年間の義務教育を見通した児童生徒の育成の充実を図ってまいります。
学校運営の改善につきましては、学校における働き方改革「第3期蘭越町アクションプラン」に基づき、各学校の実情に応じた業務の効率化等、勤務状況の改善を進めるほか、中学校における部活動については、全ての部活動に引き続き指導員を配置し、働き方改革を推進してまいります。
学校安全教育の充実につきましては、子どもたちを取り巻く社会には多くの危険が潜んでおります。
防犯協会や地域、家庭等と連携した不審者対策や交通安全対策に取り組み、町の防災担当課とも連携し、自然災害から身を守るための訓練や学習会等、非常時における防災教育を推進してまいります。
また、児童生徒の安全な通学に向けて、引き続き「蘭越町通学路安全推進会議」において、関係機関との連携を図ってまいります。
蘭越中学校の大規模改修につきましては、昨年度から2カ年で改修工事を実施しておりますが、本年度の施工に当たっても、引き続き生徒の安全対策を最優先とし、授業等の教育活動に極力影響がないよう、十分に配慮して進めてまいります。
(5)学びを支える地域との連携・協働の推進
ライフスタイルの多様化等を背景とした地域社会のつながりの希薄化が進行している現代社会において、学校、家庭、地域が連携・協働し、社会全体で子どもたちの成長を支えることが重要であるため、学校と地域のつながりを深め、魅力ある学校づくりを推進してまいります。
蘭越高等学校につきましては、北海道教育委員会で策定された「これからの高校づくりに関する指針」を念頭に置きながら、高校存続のため引き続き入学者の確保に努め、地域に根ざした高校づくりを関係機関と協力して取り組んでまいります。