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◆今月のテーマ 成年後見制度
法務大臣の諮問に応じて、民事法や刑事法、そのほか法務に関する基本的な事項を調査審議する法制審議会では、成年後見制度の見直しを行い、2026年度までに民法などの関連法制改正を目指しています。
成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度がありますが、今回の見直しは、主に法定後見制度に関するものです。法定後見制度とは、本人の判断能力が不十分になった後に、本人の判断能力に応じて家庭裁判所により選任された後見人などが本人を保護、支援するものです。この制度には、本人の判断能力に応じて、「後見」、「保佐」、「補助」の3つの区分があります。そして、「後見」の場合である成年後見人には、包括的な取消権や代理権が認められています。後見人などの役割は、(1)本人のために診療・介護・福祉サービスなどの利用契約を結ぶ、(2)本人の預貯金の出し入れや不動産の管理など契約や財産管理をする、といういことであり、食事や掃除、日用品の買物の代行や介護の補助などは対象外となっています。
また、一旦後見人などが選任されると、その職務は、「本人の判断能力が完全に回復」または「本人が死亡」するまで継続し、途中で利用を停止したいと考えても家庭裁判所での取り消しが認められない限りやめることができません。
現在、高齢化の進展や単独世帯の増加などが見込まれることから、成年後見制度をさらに利用しやすいものとするため、期間の限定や本人にとって必要な範囲に限定する仕組みなどの検討が行われており、今後の進展が期待されます。

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