- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道北竜町
- 広報紙名 : 広報ほくりゅう 令和7年8月号
診療所長 浦本幸彦
■突然来ます熱中症
先日サイクリングの途中で気が付いたことがあります。北竜町の家々はキチンと片付いて綺麗にされています。特に農家さん。
門から玄関まで雑草などありません。車庫や倉庫も整理整頓されています。なんだか自分の家を思い出して恥ずかしくもあり申し訳なくもありました。
そうそう、高齢者の草むしりについて診察室では「草むしりしなくて草ボウボウでも人は亡くならないけど、草むしりで具合悪くなって亡くなる方はいるよ」と説明すると、「だってご近所の目が」と返答されます。
他人の目なんか気にしなさんなと言ってましたが、前言撤回。ご近所の目は考慮するに決定。次回からは異なる論点で説得します。
なんで皆さん、そんなに綺麗になさるのか考えました。農家の仕事自体がきめ細かで丁寧な仕事の連続です。
天候を読み、臨機応変の対応を必要とされます。
雑草は放置できず、薬もむやみやたらに使う事が出来ません。安心安全な食べ物は手間も暇も掛かります。
そんな仕事をするので敷地内の事も同様に丁寧な仕事をされるのかなと想像しました。
ご存知のように今年は北海道でも記録破りの猛暑です。道外では6月に熱中症で亡くなる方が多発しました。まだ6月だと油断して今年の異常な酷暑に気付くのが遅かったと思われます。
熱中症の症状としては、
軽症ではめまい、立ちくらみ、手足のしびれ、気分不良、こむら返り。
中等症では頭痛、吐き気、倦怠感、力が入らない。
重症では高体温、意識消失、けいれん、呼びかけに反応しない、動けない等です。
中等症以上は受診が必要です。これらの症状が徐々に段階を踏んで襲ってくるとお思いででしょうが、そうは問屋のおろし大根。
徐々に症状が現れるケースもあるでしょうが、いきなり中等症、重症が出る場合もあります。だから畑や家の中で倒れてそのままお亡くなりになるケースが存在する訳です。徐々に症状が出現するなら誰でも対応可能ですよね。
おい先生よ、なんか知ったような言い草だな。そうなんです。以前、熱中症の中等症以上を経験した事があります。十年ほど前実家の九州にお盆に帰省した時の事です。暑い日に庭の水撒きをしていた時突然体の力が抜けて倒れ、這って室内に逃げ込みました。強い倦怠感と脱力、38度の高体温。冷却と飲水で24時間倒れていました。ホントは受診しなければいけなかったのですが、その判断をする人が倒れていたので放置です。まあ回復したから良かったです。前日疲れがあり睡眠不足もありました。強い誘因です。
丁寧な仕事振りの農家さん。「暑い中、無理しないでね」また高齢者さんは暑さに対する感度が落ちているので汗ベタベタなのに暑くないと感じたりします。要注意です。
◆北竜町立診療所
休診日のお知らせ
8月13日(水)、14日(木)、15日(金)は終日休診となります。
また、8月20日(水)は午後1時30分より、浦本先生が深川市において介護認定審査会に出席のため、午後より休診となります。