子育て 《連載》家庭教育シリーズ 第356回

◆時を経て…!
教育アドバイザー 小山田雅春

昨年9月、連休を含め5日間の道内旅行のため、次男夫婦が我が家へ2泊したいとの連絡があった。そのために、今は寂しく空き部屋となっている子どもたちの部屋を「荷物部屋」「宿泊部屋」にするために、少しずつ片付けをした時のこと。
長女の部屋から5年生の時に制作した木工の箱を発見。長女が使っていた小物が入っていた。長男、次男の部屋からは小枝を組み合わせて作った野鳥の模型が。これは、私が全校児童7人の小規模校勤務の時に、学校や住宅周辺にカケスやヒヨドリなどの野鳥が集まってくるのに興味をもった2人が作ったものだった。もうかなり色もあせ、ほこりぽかったので処分しようと段ボールへ。
数日後、その段ボールを見ると、その木工の箱と野鳥の模型が無くなっていた。持ち去っていたのは、もちろん…!木工の箱は、妻の装飾品入れに作られたことや野鳥の模型を完成させた時の息子たちの興奮した言葉や表情のことを想い出すと「これだけは絶対に捨てたくない!」とのことだった。
子育て真っ最中の時期は、何気ない一作品としか感じてあげられなかったものだったが、時を経ると「当時の子どもの思いが『心の財(宝物)』」として輝きを放つ、まるで宝石の原石のように感じた瞬間だった。今は、妻のクローゼットの中、玄関に納まっている。
皆さんのご家庭にも、そんな原石がたくさんあるのではないでしょうか。10年後、20年後、30年後…きっと「お子さんの『心の財』」として大きな輝きを放つことでしょう。そんなことを是非楽しみにしながら!