くらし 令和7年度 町政執行方針(1)

第1回町議会定例会が3月10日から開かれ、吉田町長が次のとおり町政執行方針を述べました。

令和7年第1回天塩町議会定例会におきまして、予算をはじめ関連する議案のご審議をいただくにあたり、町政執行に臨む私の所信を申し上げます。

町政の重責を担わせていただいてから2年が経過し、早くも第一期の折り返しを迎えようとしております。就任以降、「対話・協働・調和」を銘記し、皆様から多くのご支援やご指導をいただく中で、マチづくりへの思いと研鑽を積み重ねてまいりました。対話の中で見えてきた新たな課題、過去から継続する重要課題が山積しておりますが、町民の皆様をはじめ、議員の皆様のお力添えもあり、一歩一歩着実に解決に向けて前進できていると感じております。
町政3年目にあたりましては、今まで以上に、マチが抱える多くの課題と真摯に向き合う覚悟と、マチの未来を次世代へつなぐ持続可能な行財政運営が必要であると受け止めております。改定となりました第2期天塩町強靭化計画並びに天塩町デジタル田園都市構想総合戦略を第7期天塩町総合振興計画の両輪として、皆様との対話を図りながらマチ全体の行財政改革を推進していくと共に、就任後、一つ一つ築き上げてきた信頼関係と官民のつながり、その「つながり」から広がる多くの人財を最大限活用しながら、新たな視点と発想を取り入れる積極性とマチづくりの基本を常に心に留め、子どもからお年寄りまで、皆様の幸せと笑顔があふれるマチの実現に誠心誠意尽力していく所存です。

主要な施策展開についてご説明申し上げます。
本年度につきましては、産業振興、生活環境、地域活性化、行財政改革を政策の柱として位置づけ、本町の振興・発展に向けた取組みを推進してまいります。

I 未来へつなぐ産業のマチを目指して
(1)農林水産の振興
本町の基幹産業である農業につきましては、近年の生産資材や飼料の高騰により、厳しい経営環境に直面しております。一層の農業振興のためには、良質な粗飼料の確保や生産性の向上による経営基盤の安定化が不可欠でありますことから、国営及び道営の農業基盤整備事業を継続して推進し、農業生産基盤の維持及び農業経営の安定化を図ります。国産農産物の安定供給に資する能力を最大限発揮するためにも、農業水利施設を含む農業生産基盤の整備促進につきまして、国及び北海道への積極的な働きかけを関係機関とともに推進してまいります。
また、農業後継者対策、経営基盤強化や省力化に向けた取組に加え、有害獣被害防止対策につきまして、天塩町営農担い手協議会をはじめ、関係機関との連携のもと推進するとともに、継続した農業ヘルパー確保支援と新規就農者等誘致促進制度の改善を図り、農家の継続した営農支援及び新規就農の一層の促進に注力してまいります。
昨今の物価高騰や人口減少と高齢化の影響もあり、全国的に農家は減少傾向にありますが、地域農業経営基盤強化促進計画(地域計画)に基づく目指すべき農業の将来の姿を共有しながら、本町の農用地が次世代にわたって着実に引き継がれ、農業経営の合理化と基盤強化が図られるよう、計画の推進管理に努めてまいります。
林業につきましては、認証森林として町有林の適切な保育管理に継続して取り組むとともに、豊かな森づくり推進事業及び民有林等整備支援事業による民有林造林支援、公共建築物等への木材利用や、林道の維持改良による森林整備の促進を図ります。また、本町の森林資源の有効活用と付加価値化に努めるとともに、子ども達への継続した木育活動を通じた環境意識の向上と豊かな心の醸成を推進することで、森林整備と合わせたハード・ソフト一体的な林業振興を図ります。森林は、水源涵養や国土と生態系の保全に加え、素材生産や二酸化炭素吸収源など、住民の安心・安全・快適な暮らしに不可欠な多面的機能を有することから、森林環境譲与税を積極的に活用し、関係機関との連携した一層の林業振興に努めてまいります。
漁業につきましては、漁業経営の安定化や近代化に対して継続した支援を実施するとともに、パンケ沼シジミ資源保護対策事業を継続し、関係機関と連携した覆砂事業による底質環境改善と「シジミ」資源の回復に全力で取り組んでまいります。また、地域事業者や関係機関との連携を図りながら、漁業資源の付加価値化と販路拡大を促進してまいります。

(2)商工観光の振興
商工業につきましては、関係団体への継続した支援と相互連携を図るとともに、融資制度による経営の合理化と安定化を促進することで、一層の地域振興と経済活性化を推進してまいります。また、地域経済の持続的な発展を図るため、事業者への創業・事業承継支援を継続し、関係機関と連携した支援を実施してまいります。
地場産業の振興は、ふるさと納税の推進の観点からも相乗効果が期待できる取組みであり、地域事業者との連携を密にしながら、新たな商品開発やブランド化への支援など、事業者の町外出店・販路開拓への支援を継続するとともに、地域資源の活用を促進することで、地場産品の認知度向上と地場産業の持続性の向上に努めてまいります。
観光につきましては、各種観光資源の保全や観光施設の整備に努め、観光情報発信の充実と観光促進を図るとともに、各種イベント開催に係る支援を継続し、観光協会や地域の皆様と連携しながら、地域一体となった観光イベントづくりを推進してまいります。また、本年は、北海道遺産天塩川カヌーツーリング大会「ダウン・ザ・テッシ-オ-ペッ2025」が幌延・天塩区間において開催されます。道内を中心に全国各地から多くの参加者が集まる北海道を代表する大会の一つとなっており、本町の魅力の再発見や地域交流の促進にもつながりますことから、開催地として最大限支援してまいります。

(3)地方港湾の整備
天塩周辺で産出される豊富な陸砂は、建設骨材として高い品質が評価され、年間約50万トンが、天塩港から道央都市部へ移出されております。天塩港は、道央都市部への物流ターミナルとして、建設骨材需要を支える重要な役割を果たしておりますことから、整備促進に向けた国及び北海道への継続した働きかけを実施してきたところです。
港湾物流の効率化を図ることは、本町の砂生産業の振興のみならず、北海道の経済成長を促進する効果も期待できますことから、港湾整備促進に向けた国及び北海道への一層の働きかけを関係機関と連携して推進してまいります。