- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道音更町
- 広報紙名 : 広報おとふけ 令和7年10月号
毎年10月は、世界中で乳がんの正しい知識の啓発と乳がん検診の早期受診の推進を目的とした啓発活動が行われるピンクリボン月間です。
乳がんは早期発見により、治る可能性の高い病気です。早期発見のために、定期的ながん検診の受診とセルフチェックの習慣をつけましょう。
■乳がんってどんな病気?
乳がんは、女性が患うがんの第1位であり、女性のがん死亡数の中で第4位です。女性の9人に1人がかかるといわれています。
乳がんは、乳腺組織(母乳を作るところ)にできるがんで、発生や増殖には「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンが深く関わっています。
主な症状は、乳房のしこりです。他に、乳房にえくぼやただれができる、左右の乳房の形が非対称になる、乳頭から分泌物が出る、などがあります。
好発年齢は40~60代ですが、20代後半から発症する人もいます。
→身体の表面に近いため、自分で気付くことができる可能性のあるがんです
■音更町の現状
町の乳がん標準化死亡比(※)は119・5であり、乳がんの死亡率は国の平均を大きく上回っています。
しかし、町の乳がん検診の受診率は30%程度で、増加傾向であるものの、国が目標とする60%には程遠い状況です。乳がんで亡くなる人は増えていますが、検診受診率は低いのが現状です。
※標準化死亡比(SMR)は、国の平均を100とし、100以上の場合は国の平均よりも死亡率が高いと判断される。
◇乳がんの年齢階級別罹患率(2021年・人口10万人当たり)

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
■早期発見が重要
ステージIの5年生存率は93・7%で、ほかのがんに比べると予後が良好です。ただし、病気が進行した状態(他の臓器やリンパ節などに転移・浸潤している)で診断された場合、5年生存率は39・3%まで低下するため、進行する前の早期発見が重要になります。
◇乳がんの主なリスク要因
・初経年齢が早い
・閉経年齢が遅い
・出産歴がない
・初産年齢が遅い
・授乳歴がない
・閉経後の肥満
・飲酒習慣
・一親等の乳がんの家族歴
・良性乳腺疾患の既往歴
■ブレスト・アウェアネス
乳房を意識する生活習慣をブレスト・アウェアネスといいます。これは、乳がんの早期発見・早期治療につながる、女性にとって大切な生活習慣です。できることから日常生活に取り入れてみましょう。
◇ブレスト・アウェアネスの4つのポイント
(1)自分の乳房の状態を知る
入浴時や着替え、就寝前などのちょっとした機会に自分の乳房を見て・触れて・感じてみましょう。
~見る~
・鏡の前で、両方の乳房の形や皮膚の状態を見る
・乳頭周りを抑えて分泌物が出てこないかを見る
~触れる~
・仰向けに寝て腕を上げ、乳房の内側・外側・脇の下を触れる
・入浴時に腕を上げ、しこりのようなものが触れないかを調べる
・4本指をそろえて指の腹で10円玉大の「の」の字を書くように乳房全体をゆっくり触れる
(2)乳房の変化に気を付ける
気を付けるべき乳房の変化について知っておきましょう。
・分泌物…分泌物が出る、乳頭付近の下着が汚れる
・びらん…乳房や乳頭周囲にただれや赤み、出血がある
・皮膚の凹みや引きつれ…凹みやくぼみ、形に左右差がある
・痛み…特に脇の下や乳房の外側上部の痛みが続く
・腫瘤(しゅりゅう)…しこりのようなものが触れる
(3)変化に気付いたらすぐに医師へ相談する
乳房に変化を感じたら、自己判断はせずに医療機関を受診しましょう。
(4)40歳になったら2年に1回乳がん検診を受ける
検診はマンモグラフィ(乳房X線検査)で行います。プラスチックの板と撮影台に乳房をはさんでレントゲンを撮ります。
※音更町にお住まいで、40歳以上の偶数年齢になる女性は、乳がん検診を無料で受けることができます。詳しくは、次の二次元コード(本紙参照)からホームページをご確認いただくか、健康推進課にお問い合わせください。
■がん患者のウィッグなどの購入費の一部を助成
町は、がん患者の皆さんの心理的および経済的負担を軽減し、就労継続などの社会参加の支援や療養生活の質の向上を目的として、1人につき2万円を上限にウィッグなどの購入費用の3分の1を助成しています。
対象補助具:
(1)ウィッグ
(2)胸部補整具
※詳しくは、次の二次元コード(本紙参照)からホームページをご確認いただくか、健康推進課にお問い合わせください。
■イベントのお知らせ
◇ピンクリボン月間イベント
「今、知ってほしいがんのこと」をテーマに、帯広協会病院腫瘍内科の杉山絢子医師を講師に迎え、がんに関する貴重なお話を伺います。講演のほか、ウィッグアレンジ実演や乳がん看護認定看護師・薬剤師・がん経験者による個別相談を行います。会場には、入浴着や乳房パッドなどの展示もありますので、ぜひご来場ください。
日時:10月19日(日)、午前10時~正午、午後1時~2時30分
※午前・午後ともに申込不要。
場所:保健センター
内容:
(1)午前の部 午前10時~11時…ウィッグソムリエ(R)によるウィッグアレンジ実演、午前11時~正午…がん経験者による個別相談、午前10時~正午…乳がん看護認定看護師・薬剤師による個別相談(がんの術後・日常生活の相談や、がん治療の薬の相談など)
(2)午後の部…午後1時~2時30分…杉山絢子医師、乳がん看護認定看護師、緩和ケア認定看護師、がん経験者によるトークセッション
講師:帯広協会病院 腫瘍内科 医師 杉山絢子(すぎやまじゅんこ)さん
参加料:無料
主催:とかち女性がん患者の集いプレシャス
問合先:保健センター内健康推進課
【電話】42-2712
◇がん予防パネル展の開催
厚生労働省は、毎年10月を「がん検診受診率向上に向けた集中キャンペーン月間」と位置付けています。ピンクリボン月間に合わせて、がんに関する情報や検診についてパネル展を実施していますので、ぜひお立ち寄りください。
日時:10月1日(水)~26日(日)
場所:図書館ロビー
内容:がんに関するパネルの展示、乳がん触診モデルの展示など
申込・問合先:保健センター内健康推進課
【電話】42-2712【FAX】42-2713
