- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道弟子屈町
- 広報紙名 : 広報てしかが 2025年6月号
■大地震発生への備えについて
地震は、地球内部で大きな力がかかって岩の層が割れるために起こります。1995年の阪神淡路大震災ではマグニチュード7.3を観測、2011年の東日本大震災ではマグニチュード9.0を観測し、長さ480km・幅150kmもの岩が割れました。なお、マグニチュードとは地震の規模を表す単位で、岩の割れた面積が広いほど数値が高くなり、数値が1増えると地震のエネルギーは約32倍、2増えると約1000倍になります。また、震度とは地震の揺れを1から7で表したもので、震源地からの距離や地盤の硬軟により差が生じます。
ここからは、本町で発生する可能性がある大地震を2つの種類に分けて説明します。
一つ目は、直下型地震です。1938年の「屈斜路湖の地震」では死者が1名、ほかに家屋の全半壊など複数の被害が生じました。最近では2024年1月にサワンチサップで震度4を観測するなど、大きな地震が時折発生しています。町内の周辺には標津断層があり、この断層による地震は最大で震度5強~6弱になると予想され、地下伏流水などの影響で地盤の液状化による被害が発生する可能性があります。また、震度6弱の地震では立っていられなくなるほか、固定していない家具の大半が転倒したりドアが開閉不能になったり、壁のタイルや窓ガラスが破損・落下したりするなど、逃げ道の確保が困難になります。
二つ目は、日本海溝・千島海溝周辺型地震です。千島海溝沿いでは、東日本大震災と同程度の巨大地震が17世紀に発生したと考えられています。政府の地震調査委員会は、この巨大地震から約400年が経過していることから、「地震の発生が切迫している可能性が高い」とし、地震が発生した場合は沿岸部で震度6強~7、津波の高さは最大30メートル前後になると予測しました。本町内では津波による直接的影響はおそらくありませんが、沿岸部を訪れているときに大地震や津波が発生した際は、最寄りの高台や避難所などに直ちに避難してください。
なお、日本海溝・千島海溝沿いで大地震が発生した場合、その後1週間程度はさらに大きな地震が発生する可能性が高まるとして、北海道・三陸沖後発地震注意情報が発表されます。震度7を観測した令和6年能登半島地震の死因の多くは「圧死」「窒息・呼吸不全」で、倒壊した建物や家具の下敷きになったとみられています。また、寒さによる「低体温症・凍死」も少なくなかったため、特に冬期・夜間・停電時の暖房対策も重要となります。ご自分の身を守るためにも、日頃からの備えの再確認をしましょう。
最後に、今年の本町防災総合訓練は、直下型大地震の発生を想定して、8月7日(木)に弟子屈中学校周辺で住民の皆さまを対象に、避難行動、段ボールベッドの組立て、学校給食センターなどによる炊出し・試食体験などの避難所生活を体験していただけるように計画しています。今後、このコーナーなどでご案内しますので、ぜひ参加よろしくお願いします。
【気象庁HP】「後発地震注意情報」
問合せ:役場総務課防災情報係
【電話】482-2912(課直通)