健康 今月の管理栄養士 鈴木早那子さん

【知っておきたい!働き世代の方の減塩】
新年度が始まって2ヵ月が経過しました。新生活にも慣れてきた頃でしょうか?最近のお食事はいかがですか?「仕事が忙しくて、コンビニ弁当やカップ麺に頼りがち…」なんて方もいらっしゃるかもしれません。私も忙しい時期はコンビニで夕食を済ませる日もありました。そういう日があっても大丈夫です。外食は、「いかに減塩し、野菜を摂ってバランスを整えるか」が大事です。今回は減塩について、お話をしていきたいと思います。

◆減塩が必要な理由
私たちの体は、塩分を摂りすぎると、血液中の塩分濃度を薄めようと水分を溜め込みます。その結果、血液量が増え、血管の壁にかかる圧力が高くなり高血圧になります。病院で測定した血圧(診察室血圧)が140/90mmHg以上だと、高血圧と診断されます。高血圧は自覚症状がないまま進行することが多く、放置すると動脈硬化を起こし、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気のリスクを高めます。働き盛りの今、これらの病気のリスクを減らすために、減塩は非常に重要な対策となります。

◆実は身近に潜んでいる塩分
「自分はそんなに塩辛いものを食べていない」と思っている方もいるかもしれません。
昨年、町内の成人男女(40歳以上)の塩分摂取量を調査しました。男性で10.8g、女性で9.4gと、高血圧予防のための目標値である塩分摂取量6.0g未満(1日あたり)には届いていませんでした。目標の達成は難しいですが、今よりも塩分摂取量を減らすことを少しでも気を付けていきましょう!塩分はさまざまな食品に隠れています。1日でも、1食でも塩分が多い食品を食べる頻度を減らしてみませんか?
▽塩分が多い食品
・加工食品(ハム、ソーセージ、かまぼこなどの加工肉や魚介類、インスタントラーメン、レトルト食品)
・調味料(醤油、味噌、ソース、ドレッシングなど)
・外食・コンビニ弁当

【賢く減らす!減塩の方法】
今日からできる、簡単な減塩の方法をご紹介します。

◆調理の工夫
・出汁を活用する:昆布やかつお節、煮干しなどで取った出汁は、少ない塩分でも料理を美味しく仕上げられます。
・香味野菜や香辛料、酸味をプラス:ネギ、生姜、ニンニク、ハーブ、レモン汁、酢などを使うと、塩分が少なくても風味豊かに仕上がります。
・素材本来の味を楽しむ:新鮮な野菜や肉、魚介類は、素材そのものの旨味があります。薄味でも美味しく食べられるように、旬の食材を選んでみましょう。

◆調味料の選び方・使い方
・減塩調味料を活用する。少しでも塩分を減らしましょう。
・醤油やソースは、料理全体にかけるのではなく、少量をつけて食べるように心がけましょう。スプレー式の醤油も便利です。
・マヨネーズやドレッシングは控えめに。これらの調味料は、塩分だけでなく油分も多く含んでいます。ノンオイルドレッシングや、手作りのドレッシングを活用するのもおすすめです。

◆外食・コンビニ食での選び方
・メニュー表示を確認する。塩分表示がある場合は、必ず確認するようにしましょう。
・麺類の汁は残す。
・外食やお惣菜の追加の調味料は控えめにする。
・単品の食品にせず、野菜のおかずも追加しましょう。

何事も続けることが大事です。無理のない範囲で、できるときに減塩を一緒に頑張っていきましょう!