- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道標津町
- 広報紙名 : 広報しべつ 2025年5月号
執筆者:島田 蒼太(しまだ そうた)さん
(標津高等学校2年)
私は1年生の時に、防災研修として東北2県を訪れました。特に印象に残った「松島」について紹介します。
松島町は日本三景の一つで、海岸の目の前には多くの「島々」が広がっています。東日本大震災が発生した時には、震度6弱を観測し、激震に見舞われました。地震後、松島町に大津波警報が発表され、津波が押し寄せました。ですが、お隣の東松島市と被害の差は非常に大きかったのです。東松島市では、海岸に大きな堤防はあったものの、市内は平たい大地の平野であったため津波の進行を加速させ、被害を拡大させました。これにより約1,000人の尊い命、多くの人の財産を奪いました。このように東松島市の死者が約1,000人だったのに対し、松島町の死者は3人でした(町外で死亡した町民を除く)。なぜ、こんなにも被害に差が出てしまったのかというと、冒頭でお話しした松島の「島々」に関係があります。松島町の海岸の目の前に広がる島々が津波の威力を和らげてくれたおかげで、津波の高さも半減し、被害が大きいことには変わりはなかったものの、ほかの市町村よりも被害を小さくできました。
この島の位置関係、少し標津町に似ていると思いませんか?そうです、目の前には北方領土とその南には根室半島があります。釧路沖で巨大地震が発生した際に、半島と北方領土が打ち消してくれると思ったかもしれません。ですが、打ち消される可能性があったとしても万が一のために必ず避難はしてください。なにが起こるかわからないのが災害です。東日本大震災の前年にはチリで巨大地震が発生し、東北3県に大津波警報が出ましたが、被害があまり無かったので、翌年の東日本大震災での大津波警報を聞いて危険だと感じなかった人が一部いるように、目の前に北方領土がありますが安心せず万が一に備え避難してください。そして、日頃から防災意識を持ち、迅速に避難ができるようにルートを確認するなど、起きた際に動けるように過ごすことが大切です。