くらし 町政ここが聞きたい 議会だより 3月定例町議会(2)

◆一般質問
◇竹内富士子議員
(1)稼げる町づくりのために、教育で二宮尊徳精神を活かすことについて
(2)人口を増やすために、本町の強みの農業で稼ぐ町づくりについて
(3)本町の強みの観光において、「温泉」を活かす町づくりについて

問(1):二宮尊徳は、日本的資本主義の精神の元になった人と言われていて、日本の農村や藩の立て直しをした人。二宮尊徳の「積小為大」の精問神、すなわち、コツコツと努力を積み上げて大をなす考え方が、資本主義の精神の原点にある。
また、「二宮尊徳精神は、勉強と金儲けを結びつけた」ともいわれている。「一生懸命、勉強すると、そのあと、お金も儲かるし、事業にも成功する」という考え方をして、勉強と金儲けを結びつけた人。
これからの学校教育にとって、この二宮尊徳精神は大事であり、子供たちにも企業家精神を身につけさせることは非常に大事だと考える。
そこで、今、必要とされているのは「二宮尊徳の精神」であり、この町を発展させたり、また、一人ひとりが努力を通して人格が磨かれ、同時に、よい仕事をする人になるような教育のためには、やはり、「二宮尊徳の精神」がいると思う。キャリア教育で、二宮尊徳の精神を伝えていただきたいと思うのだが、如何か。

答(1):(教育長)
二宮尊徳といえば、薪を背負って書物を読む少年時代の金次郎像が有名だが、疲弊した村々を救済するために大改革を成し遂げた農政家として知られた偉人。その足跡や「積小為大」「分度」「推譲」「報徳」といった二宮尊徳が残した言葉からは、生きるための知恵を多く学ぶことができる。
一方、学校教育において、生き方に関わる教育として、キャリア教育がある。目標とするところは、一人一人が社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程であるキャリア発達のために、社会的・職業的自立に向けて、必要な基盤となる能力や態度を育てること。現在「各教科」「道徳」「特別活動」「総合的な学習の時間・その他」等学びの場面は多岐にわたる。
特に「道徳」においては「勤労」「感謝」「自主、自律、自由と責任」「節度、節制」等、二宮尊徳が大切にした、人として身につけるべき価値について学年に応じて学んでいる。
また、「総合的な学習の時間」では、中学校において「ふるさと体験学習」「職場体験学習」、更には、「学校と地域・企業をつなぐキャリア教育研修会」「キャリア講話」などを実施しており、様々な角度から職業観を捉えることができるよう教育活動を行っている。
このことから、キャリア教育の中で二宮尊徳の精神が宿る教育活動が行われているので、今後もこれまで同様にキャリア教育を進めてまいりたい。

問(2):稼げる町が人口を増やすともいわれている。
行政が多額の予算をかけることなく、民間主導の動きを適宜バックアップしていくことが望ましいと考える。
そこで、一点目、国道沿いに農産物直売所があればよいと思うが、考えを伺う。
二点目、廃校や廃施設を活用した植物工場も必要になってくると思われるが、考えを伺う。

答(2):(町長)
一点目、「地域交流センター鰐come」には、農家が自ら生産した新鮮な農産物を直接消費者に提供する直売所がある。
気象状況等にもよるが、品目や売上実績も年々増加傾向にあり、生産者、消費者双方から好評を得ているところ。
新たな直売所の設置については、現在予定していないが、農産物の生産体制の支援や六次産業化の取組みを行い、農業所得の向上を図ってまいりたい。
二点目、植物工場とは、施設内で植物の生育環境を制御し、季節や天候に左右されずに野菜等の植物を計画的かつ安定的に生産できる栽培施設と認識している。廃校や廃施設を同様の目的で使用するには、栽培技術や大規模な改修が必要になるものと考えるが、実績のある民間事業者からそのような施設利用の要望があれば、検討したい。

問(3):温泉を保護し利用し、本町の温泉を次世代に大切に引き継いでいくことは多くの町民の願いであると思う。
各地においても、「日帰り湯治」をPRしているところもあり、「一泊の湯治」ということも考えられると思う。また、「プチ湯治」といわれているものもある。
例えば、「プチ湯治」に取り組むとした場合など、町として、「施設整備」や「湯治に関するPR」などへの支援があればよいと思うが、考えを伺う。

答(3):(町長)
町の調べでは、町内宿泊施設において、湯治プランのある施設は一施設、湯治に対応している自炊場がある施設は二施設となっており、湯治については、施設環境や人員的なものなどがあり、対応できる施設は限られている状況。
町では、施設の改修やWi―Fi環境の整備等に「事業者パワーアップ推進事業補助金」を活用していただくなどして、宿泊事業者等を支援している。
また、各団体が大鰐温泉の魅力を発信するために実施するホームページや、マップなどの媒体制作等に対しても、補助金等により支援している。
今後も、観光資源である温泉を有効活用し、町の魅力を発揮・PRできるよう、様々な取組を推進していく。