- 発行日 :
- 自治体名 : 青森県大鰐町
- 広報紙名 : 広報おおわに 令和7年(2025年)5月号
◆一般質問
◇中島英臣議員
(1)今冬の除雪体制について
(2)スキー大会誘致の成果について
(3)大雪による今後の農業の対応について
(4)にぎわいの創出と町の発展について
問(1):今年は過去に類をみないほどの大雪で、町は豪雪対策本部を設置して対応したが、果たしてそれが活かされたのか、甚だ疑問点を感じる。
特に幹線道より生活道の小路地の車一台がやっと通る道や傾斜地、流雪溝のない場所に住んでいる方々が苦労している。
幹線道も突然の雪で車の底がつくくらいに積もっていることが何度もあった。対向車が凹凸のある車の溝を避けようとしてハンドルを切り損ねてフラフラ運転しているのを何度も見た。
私なりに町や関係者の方々が努力している事や費用のことを説明するが、敢えて質問する。
(一)除雪の契約はどのようになっているのか。
(二)明確な基準マニュアルがあるのか、伺う。
答(1):(町長)
今冬は、本県に災害救助法が適用される豪雪となり、本町においても最高積雪深が百三十六センチメートルとなり、計画的な除雪作業を進めることが難しい状況であった。また、日中の降雪が少なく、夜間から明け方にかけてまとまった雪が降ったことから、特に道路除雪については、町民の皆さまに多大なご不便をおかけしたと認識している。
(一)直営路線を除き、大路地十一工区と小路地七工区、計十八工区、除雪総延長九十・六キロメートルを六事業者に委託している。
(二)町の「除排雪事業計画」がある。計画では、連続した降雪により、午後十時に降雪量が十センチメートルあった場合に出動する基準となっているが、先ほど申し上げたとおり、明け方にかけての降雪が多く、出動することが困難であった。そのため、少しでも交通に支障をきたさないために、今年は深夜除雪に限り業者判断で出動する対応をとったところ。
深夜からの除雪作業は、時間に限りがあるため、どうしても幹線道路を優先せざるを得ない状況にあり、小路地に遅れが生じてしまう。今後も、このような降雪が予想されることから、除雪業務の改善に努めていくので、ご理解をお願いする。
問(2):いつもなら雪不足で大会関係者は苦労するが、今年はいつもより運営がスムーズにいったように見受けられる。関係している役場の職員の方や一部の大会関係者の方々が休む間もなく目白押しに大会があるシーズンであった。
大会は全て成功裏に終わっている。
さて、今年の大会だが、暦をみると一月と二月に毎週土日祝日に大会があり、なおかつインカレの時は貸し切りゲレンデであった。
一般スノースポーツ愛好者が楽しめる斜面が滑れないことが多いので、雪がなければシーズンを早く終了しても一般スポーツ愛好者が納得すると思うが、今シーズンは雪がたっぷりある。
数えきれないほどの多数の方々から、雪があるのになぜ延長出来ないのか聞かれる。
また、昨今町の情勢も変わり、大会誘致が本当に町の経済に繋がっているのか検証する時期に来ているような気がする。
町の人口減少に歯止めも利かなく、なおかつ税収も落ち、運営する方々も高齢者の方が多いのが現状。
それに施設も老朽化し、リフトの搬器や圧雪車の故障も気になる。来年は国スポだ。安全第一が優先されスムーズな大会運営をする必要がある。
ビック大会の国スポ、インカレがあるが、町はどのように経済に繋げようとしていくのか、二点伺う。
(一)何故雪があっても延長出来ないのか。
(二)大会誘致の町の発展と経済をどのように考えているのか。
答(2):(町長)
(一)近年は少雪であったため、今シーズンの営業終了を三月九日に定めたもの。指定管理者に確認したところ、冬季スタッフのほとんどが農家であることから、三月に入ると次々と離職し、リフト運行に支障が生じることで延長は難しいと伺っている。
また、春からの営業に向け、スキー場の営業終了後、すぐに「あじゃら行者線」の除雪作業を開始する必要があることや、指定管理者においても少ない従業員での雪切作業、茶臼山公園の雪囲い撤去等があり、工程的に延長困難と考えている。
(二)大会誘致による効果としては、温泉とスキーの町、大鰐町を全国にPRできることが挙げられる。さらに、今回のインカレは、国スポのリハーサル大会と位置付けているため、県からの補助金の対象となっており、通常より少ない町負担額で開催できるものとなっている。
来年度の国スポに向けて貴重な経験となったことから、競技運営面に係る課題精査を行って、しっかり準備していく。
また、本大会では、全国から約九百人の選手・関係者が集った。経済効果としては、延べで約三千人が町内に宿泊したほか、期間中に飲食や買い物をするなど、地域経済に与えた効果は大きいものと考えている。来年度以降も、全国規模のスキー大会が続く。大会の開催により町の知名度を一層高めつつ、経済対策と併せ、冬季観光の推進に努めていく。
問(3):農業は天候に左右されやすい職業。今年のように冬にやらなければいけない作業が大幅に遅れている現状の中、町も懸命に努力しているが、この後雪が消えると被害が甚大に増えてくることが予想される。
大鰐町のりんごは津軽平野にある平地のりんごに比べると、実がしまり、糖度もあり業者から好まれている。ここ何年かは災害に見舞われず、ハウスを利用している作物や米も高値で取引され、農家の人達もほっとしている。
農業を生業としている方々にとっても大雪は「明るい兆しの見える」ことに「水を差した」ような状態。
そこで、これから雪の被害で甚大な被害が増えることに町はどのように対処するのか伺う。
答(3):(町長)
今冬の豪雪被害に対応するため、例年より一カ月ほど早く農道除雪を開始した。また、被害対策の緊急支援事業として、農業用融雪剤の購入費用の補助、雪害により枝折れした果樹の病害を防止するため、塗布剤の購入費用の補助を実施している。
今後の対応については、まだ樹園地の積雪が深いため、被害確認に苦慮しているところであるが、四月中旬にかけて、県及び農業関係団体と連携し、被害状況の調査を予定しているところ。
農家の生産意欲が減退しないよう、状況把握に努め、国・県に支援を要望するとともに、今後の生産に向け、早期の復旧支援を検討してまいりたい。