くらし 〔特集1〕令和7年度当初予算 世界に開かれたいわて地⽅創⽣予算(2)

■自然減・社会減対策のポイントは「ジェンダーギャップの解消」です。
本県は、就職、進学期の若年層の転出超過が多く、特に20歳代前半で、男性に比べて、女性の転出超過が多いという傾向にあり、その理由の1つとしてジェンダーギャップが指摘されています。
ジェンダー平等は基本的人権の問題であり、人口の減少対策の視点からも「固定的な性別役割分担意識」などの無意識の思い込みである「アンコンシャス・バイアス」をなくすことにより、ジェンダーギャップを解消することが重要です。
若者・女性が暮らしやすい・働きやすい「選ばれるいわて」であるためにも、家庭や地域、職場でのジェンダーギャップの解消を重視し、オール岩手で、人口の自然減・社会減対策に取り組みます。

県は、性別に関わらず誰もが活躍できる環境づくりを進めながら、結婚・子育てや移住・定住など多様なライフステージに応じた支援を強化していきます。

図があります。
ライフステージ例説明
進学、就職、結婚、妊娠・出産、子育て、転職・移住の6つのライフステージが書かれ、対策がそれぞれ表されています。

進学、就職のステージの時、社会減対策
就職、結婚、妊娠・出産、子育てのステージの時、自然減対策
子育て、転職・移住のステージの時、社会減対策
※図は本紙またはPDF版をご覧ください。

○少子化対策の強化の3つの柱
(1)有配偶率の向上
出会いの機会の確保・創出

(2)有配偶出生率の向上
全国トップレベルの子ども・子育て施策の展開

(3)女性の社会減対策
雇用労働環境の改善と活躍できる環境の創出

○社会減対策の強化の3つの柱
(1)多様な雇用の創出労働環境と所得の向上
誰もが働きやすく活躍できる職場環境づくり、海外輸出の促進などによる付加価値額の向上

(2)いわてとのつながりの維持・強化
いわてでの“暮らし”や“働き”の応援と魅力発信

(3)地域の価値や魅力の発信による交流・関係人口の拡大
地域の生活文化や自然環境を生かしたインバウンド観光などの拡大・交流の促進

○プラスワンとして
広域振興局を核とした市町村や地域の状況に応じた取り組みの強化

■4つの重点事項 取り組みの一部をご紹介
《自然減・社会減対策》
○若年・女性が暮らしやすい・働きやすい環境づくり
職場や地域に存在する性別によるアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見・思い込み)への気づきや見直しを促すため、専門家を委嘱し、経済団体や地域などを対象に講演活動を実施するほか、男女共同参画センターによる企業向け出張セミナーを実施します。

・女性には女性らしい感性があるものだ
・男性は仕事をして家計を支えるべきだ
・男性は人前で泣くべきではない
・家事・育児は女性がするべきだなど

アンコンシャス・バイアスの解消には、自分の持つバイアスの存在に気づくことが重要です

《GXの推進》
○快適で健康的な暮らしを実現するための環境づくり
岩手型住宅ガイドラインでは、カーボンニュートラルに関する国の動向や、健康寿命などの新しい知見を踏まえて、「ゼッチプラス(断熱等性能等級6または7)」水準の省エネ性能を推奨しています。
県は、岩手型住宅の普及促進のため、県内建築事業者などへの技術支援や、ゼッチプラス水準を満たす住宅の建設などに要する経費の補助を実施しています。

写真が2枚あります。住宅の内観のイメージ写真です。
1枚目:ゆったりとしたリビングにソファやダイニングテーブルが置かれています。リビングの一角に金属製の手すりのある階段が設置され、階段の下は収納スペースになっています。
2枚目:木の縦格子のある廊下です。天井、床など全体が木で作られ、廊下の突き当りには木枠の中に大きな鏡が設置されています。

《DXの推進》
○子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びの環境づくり
国のギガスクール構想第2期に向けて義務教育段階の公立学校の児童生徒1人1台端末を更新整備します。県立中学校・特別支援学校(小学部・中学部)と市町村立小学校・中学校・義務教育学校を対象として、端末の更新整備に要する経費を補助します。

写真が2枚あります。端末更新に関わる「ネクストギガ端末実機体験会」の様子
1枚目:2人の子どもたちが、タブレットの画面に絵を書いています。
2枚目:タブレットの画面をタップする大人とそれを見ている子どもたちです。同じテーブルにはほかに3台のタブレットが置かれています。
※写真は本紙またはPDF版をご覧ください。

《安全・安心な地域づくり》
○必要に応じた医療を受けることができる体制づくり
県は、県民の皆さまの安心の確保や消防、医療機関の負担軽減を図るため、今年度から急な病気やけがなどで、救急車を呼ぶかどうか迷った際に、医師や看護師などの専門家が相談に応じる電話相談事業「救急安心センター事業(シャープ7119(なないちいちきゅう)」を24時間365日体制で実施しています。

写真があります。
急な病気やケガですぐに救急車?夜間だけど病院?
迷ったら電話で相談シャープなないちいちきゅー
15歳未満のお子様の急な病気やケガで困ったら小児救急医療相談シャープはちれーれーれーなどと書かれた2枚のチラシです。
※写真は本紙またはPDF版をご覧ください。