健康 健康ひと口メモ

『人生百年』

仙南病院 くしだ 正男

先の敬老の日に、「明治生まれは全国で4人」との報道を目にしました。そこで、私が担当した100歳以上の患者様を調べたところ、この10年は20人ほどでした。まずは100歳の皆様が口にしていたありがたいお言葉をご紹介しますと、「血圧が高い時は両手をこする」、「おいしいものもまずいものも全部食べる」、「目が覚めると『生きてたー』と感謝」など。
100歳ともなると、我慢しません、言いたいことを言います、時には毒舌も。耳も遠くなります。そして、お話しができる方は、食べる力・嚥下(えんげ)力を維持しているように思います。以上私の主観です、根拠はありません。
また、自分で歩ける方は、わずかに男女1人ずつ。近所なら「自分で歩く!」と車の乗車を拒んだ男性と、長年踊りに携わっていた女性、の2人でした。“立位歩行の維持”はなかなか困難です。
今年11月102歳となるのが作家の佐藤愛子さん。「何がめでたい、何がおかしい、いちいちうるさいのが佐藤愛子」と、100歳を謳歌(おうか)されているようですが、その人生は順風満帆ではなかったようです。長い年月、別れた旦那の借金返済のために原稿を書いていたとのこと(ネタは家族や旦那の非常識)。幸いにも「書いているときの私は機嫌が良いのだ」そうです。まねはできませんが、長生きのヒントがありそうです。
100歳自体が“冥土の土産”と思います。また、「冥土の土産に大谷翔平選手(有名人)に会いたい」などの“積極性”は、認知症を防ぐかもしれません。
100年生きれば、お土産もさまざまでしょう。人生百年楽しみましょう。