- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県登米市
- 広報紙名 : 広報とめ 4月号(359号)
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昨年11月、豊かな緑と水に囲まれた古民家で、こだわりの野菜と「はっとパスタ」を堪能できる農家レストランが、中田町浅水に開店した。
店主の鈴木さんは、県内の農業大学校を卒業後、仙台で自然農法による野菜作りに挑戦してきた。カフェを営む両親の影響もあり、農業を続けながら、「自然と寄り添う自給自足のレストランを開きたい」と考えた。県内の物件を探す中、登米市空き家情報バンクに掲載されていた一軒の古民家と出会う。現地を訪れ、築130年を超える趣のあるたたずまいと、周囲の自然環境に心を引かれ、移住を決意。地域住民の助けも借りつつ、自らの手で店舗と畑の整備を進めてきた。学生時代の後輩の新谷さんも仲間に加わり、開店準備は整った。
せっかく登米で店を開くならばと、近所に住むおばあちゃんからはっとの作り方を学び、生パスタの技法と組み合わせた「はっとパスタ」を考案。はっとの生地やソースには、自家製の無農薬野菜がふんだんに盛り込まれ、この店ならではの新しいはっと料理が誕生した。「こんな食べ方もあるんだと、地域の人たちにも受け入れてもらえたらうれしいです」と、鈴木さんは満面の笑みで語る。
店頭では採れたての野菜を直売するほか、ランチ終了後には畑や庭を散策できる時間を設け、農業や自然の魅力が体感できる。「この店を、さまざまな人が集まって交流できる場にしていきたい」と目を輝かせる鈴木さんと新谷さん。二人の挑戦は、まだ始まったばかりだ。