- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県大崎市
- 広報紙名 : 広報おおさき 2025年8月号
■土地との出会いはネット、二地域居住と“稼げる農業”への挑戦
近年、都市と地方の2カ所に拠点を持ち、それぞれの地域の良さを生かした「二地域居住」という暮らし方が注目されています。
二地域居住は、豊かな自然や風土などの地方の魅力と都市部の便利さの両方を享受でき、自分らしいライフスタイルの実現が期待できます。
今回は、本市と東京都を行き来しながら柔軟に暮らす山口慎一さんへのインタビューを通して、二地域居住について紹介します。
▽プロフィール
山口 慎一(しんいち)さん
平成13年から約22年間、金融関連の業務に従事。令和4年、インターネットで見つけた鳴子温泉地域の土地に魅力を感じ、購入。自らの手で開拓し、令和6年に念願のジェラート店とキャンプ場などを併設した「鳴子農園」を開業。現在は新たに、観光農業の分野にも挑戦している。
▽偶然生まれた大崎市との縁
サラリーマン時代、中小企業の事業承継や農業の後継者不足といった社会課題に関心を抱くようになりました。特に、農業が高齢化や担い手不足により衰退していく現状を目の当たりにし、「稼げる農業」の必要性を強く感じていました。
大崎市との縁が生まれたのは、令和4年。インターネットで偶然見つけた鳴子温泉地域の土地にビジネスとしての可能性を感じ、約1万坪の広大な土地を購入したことがきっかけでした。土地との偶然の出会いが、新しいライフスタイルの一歩を踏み出す契機になったのです。
▽東京⇔鳴子 —二地域居住始動—
土地の購入後に現地を確認しに来た時が、大崎市への初来訪でした。そこから東京と鳴子を行き来する生活が始まりましたが、これまでサラリーマンとして全国を飛び回っていた「出張族」の経験もあり、片道約2時間の移動はあまり苦になりませんでした。
購入した土地は荒れた状態でしたが、草刈りや伐根、井戸の掘削、事務所づくりなど、自分の手で少しずつ取り組み、整備を進めました。
▽地域とのつながり、心強い相談体制
当初は、近くの旅館に滞在しながら物件に通って作業を進めていました。そうした中で、少しずつ地域の皆さんから声をかけてもらえるようになりました。隣家の人が地域の行政区長を務めていたことや、積極的に草刈りなどの地域の行事に参加したことで、地域住民との交流が生まれ、つながりが深まりました。
また、新たに農業を始めるに当たり、相談のために農業委員会をはじめとした関係機関に足を運びました。相談しやすく丁寧に話を聞いてもらえる環境は、新規就農を目指す自分にとって、大きな安心感が得られ、心強い存在です。
▽二地域居住がもたらすもの
二地域居住を始めたことで、以前より家族と過ごす時間が増えました。暮らしの中で自然に触れる時間も多くなり、心身共にゆとりが生まれて、ストレスも軽減されたように感じます。
また、二地域を行き来する中で、東京での仕事だけでは出会えない、さまざまな分野や背景を持つ人との交流ができます。多様な視点、価値観を得ることができるため、とても面白く、良い経験になっています。
■多方面から移住をサポート!
はじめの一歩を一緒に。あなたの“移住したい”を私たちが応援します。
▽宮城おおさき移住支援センターcu:rus(くーらす)
大崎市への移住について、気軽に相談してみませんか。移住のエキスパートが「おおさき暮らし」をサポートします。
問合せ:宮城おおさき移住支援センターcu:rus(くーらす)
【電話】25-4493
▽空き家を活用した移住支援
空き家を活用して、若者世帯の移住を支援する事業を行っています。空き家を賃貸可能物件として空き家バンクへ登録した所有者へ助成金を交付します。空き家バンクに物件を登録しませんか。
問合せ:建築住宅課住宅担当
【電話】23-2108
▽市内に移住する若者世帯のための住宅購入やリフォーム支援
手続きの進め方、補助の内容・要件などについて、事前に問い合わせください。
※予算がなくなり次第、終了します。
(1)住宅新築・購入:補助金額 上限190万円
(2)購入する住宅のリフォーム:補助金額 上限90万円
(3)新たに三世代(親・子・孫)が居住するためのリフォーム:補助金額 上限125万円
※(2)(3)は、工事着手後の申請はできません。
問合せ:建築住宅課住宅担当
【電話】23-2108
■ふるさと回帰フェア2025
移住や地方暮らしをテーマにした、年に一度の国内最大級の移住イベントに出展します。首都圏在住の家族や親戚、本市への移住を検討している人におすすめのイベントです。
日時:9月21日(日) 10時~16時30分
場所:東京国際フォーラム
問合せ:宮城おおさき移住支援センターcu:rus
【電話】25-4493
問合せ:政策課地方創生担当
【電話】23-2129