- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県七ヶ浜町
- 広報紙名 : 広報しちがはま 令和7年8月号
【町の保健師・栄養士ワンポイントアドバイス!】
◆水分補給、ビール?
これからの夏、熱中症にならないために、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。
Sさん:最近は電気代もかかるんで、なるべくエアコンを使わないようにしているんだけど、部屋の適温は何度でしょうか?
A:目安は28度です。電気代より大切なのは、おからだですので、我慢せずエアコンをつけましょう。特に高齢者は暑さを感じにくくなっているため、皮膚感覚で判断せずに、温湿度計でまめに確認しましょうね。
Hさん:エアコンの他に、部屋の温度を下げる方法はありますか?
A:窓から入り込む日差しや照り返しは、すだれや緑のカーテンなどにより、部屋の外側でさえぎると効果的ですよ。それが難しい場合には、室内側でカーテンやブラインドなどを使って日差しをさえぎりましょう。
また、外から帰ってきた時に、もわ~っとして、部屋の中の空気が外よりも暑いと感じたときは、まず、窓を開けて部屋を換気しましょう。
Iさん:普段、あまり水を飲まないんですが、飲んだ方がいいんですか?
A:もちろんです!部屋の中でも知らず知らずのうちに、じわじわと汗をかいているんです。からだを動かす機会が多い少ないにかかわらずこまめに水分を補給しましょう。
特に、湿度が高い日や風が弱くて風を感じない日は、汗をかいても蒸発しにくいため、汗の量も多くなります。その分、十分な水分と塩分の補給が必要なんです。
Cさん:十分な塩分って、どのくらい取ればいいんですか?
A:健康な人の塩分目標量は男性7.5g、女性6.5gです。でも、宮城県民は9gも取っているんですよね。
なかでも、七ヶ浜では、しょっぱいのが大好きな人が多いんです。自宅で普通に過ごし、3食をきちんと取っているのであれば、熱中症予防のための追加の塩分を取らなくてもいいんです。(ちょっと余談ですが、人間は1日2gの塩分で生きていけるそうです。)
ただ、屋外での作業やスポーツなどで大量の汗をかいた場合は、水1ℓに対し塩1~2g程度を混ぜて取るといいですよ。
Hさん:実は私、高血圧なんですが、何か注意することはありますか?
A:高血圧の方の塩分の目標6gです。意外と知られていませんが、体の中で塩分(ナトリウム)の再吸収が行われていることをご存じですか?腎臓の重要な仕事のひとつですが、「塩分をとらなければ」という思いがあなたの血圧をあげてしまっているのかもしれませんね。
高血圧や腎機能が低下している方は、まずは主治医に相談してみてください。
Iさん:いづ、水を飲めばいいんですか?
A:人間って、軽い脱水状態のときには、のどの渇きを感じないものなんです。のどが渇いてからよりも渇く前のほうが効果的ですよ。暑い場所に行く前にも水分をとるといいですよ。
特に高齢者は、のどの渇きが感じにくくなるため、注意が必要です。
Gさん:どのくらい飲めばいいんですか?
A:1日あたり、1.2ℓが目安です。汗をかく量に見合った量の水分が必要なんです。
でも、1.2ℓというと大きなペットボトルの量に近いので、飲むのが大変だと思いますよね。例えば、起きた時・毎食後・外出した時にはコップ1杯(約200ミリリットル)の水分を取ると考えれば、約200ミリリットル×6回=1200ミリリットル(1.2ℓ)となり、意外と楽にできますよ!
Iさん:ビールはダメでしょうか?
A:世の中のビール党は皆さんそう思うんですよね。残念ながら、ビールは水分補給にならないんですよ。アルコールは、尿の量を増やし体内の水分をも排泄してしまうため、汗で失われた水分は補給できないんです。
七ヶ浜町民で好んでお酒を飲む方が、宮城県の中でも多いというデータがあります。暑いから…といってお酒ばかり飲むのは危険ですよ!飲んだ後もしっかり水分補給をしましょうね。お勧めは、水や麦茶です。
カフェインを含む飲み物(コーヒーや緑茶)も利尿作用がありますので、取り過ぎないようにしましょうね。
Nさん:ジュースでもいいんですか?
A:七ヶ浜町は血糖値が高めの人が多い地域でもあります。ジュースやイオン飲料などに含まれる糖分の取りすぎにも注意しましょう。
Kさん:この頃、食欲がないんだけど…
A:夏は、暑さで食欲がなくなりやすい時期ですが、食べる量が減ったとしても食事は抜かないで食べましょうね。
今年の5月から6月にかけて、町民を対象に実施したアンケート(表2)では、朝食を抜く成人が多かったですね。
寝ている間に失われて不足しがちなビタミンやミネラルを朝食で補いますので、朝食はとても大切なんです。
熱中症や夏バテの予防につながりますから、きちんと食事を取りましょうね。
[表2]朝食・昼食・夕食を食べない人の割合
Oさん:他に食事で気をつけることはありますか?
A:アンケートでは、野菜が不足している町民が多かったんです。野菜の8~9割は水分です。ゆっくり吸収され、汗で失われがちなビタミン・ミネラルも豊富なため、熱中症対策に最適です。
1日に必要な野菜の目安量は350gです。小鉢で食べる野菜量が、1食70gが平均といわれていますので、野菜・きのこ・海藻のおかずを1日5皿食べるようにしてくださいね。
外出先などで、今の危険度を知りたいときは、下記のサイトでセルフチェックができます。水分摂取や休憩の目安として参考として活用しましょう。
●一般財団法人日本気象協会が推進するプロジェクト 「熱中症ゼロへ」
【URL】https://www.netsuzero.jp/selfcheck