健康 【特集】熱中症予防 ―「食育アラカルト」特別編― (1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県七ヶ浜町
- 広報紙名 : 広報しちがはま 令和7年8月号
■油断してますね!熱中症
「今日もあっついねぇ!」とあいさつがわりにもなってきたこの頃。テレビなどでは連日、全国各地の最高気温を取り上げ、熱中症への注意を呼びかけています。海風が吹き、比較的涼しいといわれる七ヶ浜でも、今年6月から最高気温34・8度を記録するなど、今年もこれまでに経験したことがないような厳しい夏を迎えています。
近年は、猛暑に伴い熱中症による救急搬送者が増え、その6割が65歳以上の高齢者です。熱中症になる場所も、なんと4割が自宅なのです。
この夏の熱中症対策、あなたはどう乗り切りますか?
◇全国での救急搬送、昨年は最多
私たちは、汗をかくことで体温を調節しています。熱中症とは、からだの中の水分などが減少して体温の調節ができなくなり、酸素や栄養素などを体内に運べなくなった状態をいいます。
総務省消防庁が発表した今年の6月16日から22日までの一週間に、全国で熱中症による救急搬送者数は8603人、1日当たり1229人が救急車で運ばれました。
1日の最高気温が30度を超えるころから救急搬送者数が増えるといわれ、かつての過ごしやすい6月のイメージは、もう昔のことなのでしょうか。
次に、年齢別にみると、満65歳以上の高齢者が5316人と61.8%を占め、満18歳から65歳未満の成人が2583人(30.0%)、7歳以上18歳未満の少年が650人(7.6%)となっています。(グラフ1参照)
体温調節機能が低下している高齢者や、体温調節機能がまだ十分に発達していない小児・幼児は、成人よりも熱中症のリスクが高く、更に注意が必要といわれています。
全国で6月から9月の期間に熱中症で救急搬送された人数は、2010年以降大きく増加し、特に非常に暑い夏だった昨年は、9万4779人、次いで、順に2018年で9万2710人、2023年で8万7812人、2022年で6万8361人となり、近年特に、夏の暑さとともに熱中症による救急搬送者数も多くなってきました。
[グラフ1]全国の熱中症による救急搬送状況 令和7年6月16日~22日(速報値)
◇七ケ浜町は涼しいというけれど…
では、七ヶ浜町はどうでしょう。塩釜地区消防事務組合が発表した2市3町の熱中症救急搬送概要(表1)によると、人口規模による違いはあるとしても、総じて七ヶ浜町の搬送者数が少ないことがわかります。
七ヶ浜町民は、暑さに対して我慢強いからなの?いえいえ、我慢していても熱中症になれば、救急搬送されますので、他に理由がありそうです。
七ヶ浜町には、明治の頃から菖蒲田海水浴場や高山外国人避暑地がありました。暑さを避けると書く「避暑」。しかも、三方が海に囲まれた七ヶ浜町ならではの海から吹く風が心地いいですよね。
しかも、午後から東風などが吹くことがあるため、夜はエアコンを使わずに窓を開けて寝るご家庭も少なくないようです。
とはいえ、年々暑さが厳しくなるなか、そうとばかりは言えなくなってきました。
[表1]塩釜地区の熱中症(疑い含む)救急搬送概要
◇家では油断する?
では、熱中症になりやすい場所はどこなのでしょう。塩釜地区で搬送された方の熱中症になった場所をみると、最も多いのが住居の中で約4割を占めました。これは全国的にも同じような割合です。
仕事などで外出する時は、服装や水分補給など、熱中症にならないよう十分に注意しますが、自宅は、気兼ねなく、安心して過ごすことができる場所なだけに油断しがちなんですね。
十分な水分補給などをしなかったり、昨今、電気代を節約してエアコンの使用を控えたりして、高い室温と湿度の中、自覚がないままに熱中症になっているケースがあるといいます。
持病のある人や肥満の人、体調の悪い人、高齢者、幼児、暑さに慣れていない人は注意、地面に近いほど気温が高くなるため、車いすの方やベビーカーの乳幼児は特に注意が必要です。