くらし 新春 特別対談(2)

●より豊かに持続していく 可能性があふれる秋田
知事:私が掲げる「寛容・挑戦・安心」の3つの理念には、いろいろな人たちがそれぞれ自分の夢や目的を叶えていけるような、選択肢の多い社会を作っていきたいという思いがあります。秋田は経済状況や人口減少問題などネガティブな話題も多いですが、強みもちゃんとある。特に、再生可能エネルギーや食料生産といった物質的な利点を生かしながら、持続可能性と人々の多様性を重視する社会を築いていきたいです。その素地は秋田に十分にあると確信しています。
橋:現在、県が策定を進めている「次期総合計画※」では、人口減少対策の位置づけやマーケティング手法の捉え方も的確で、非常に素晴らしいと感じました。ただ私としては、その理念の順序が「安心・寛容・挑戦」ではと感じています。長男の経験がまさにそうでした。関東での暮らしで心のバランスを崩した時、一番必要だったのは「安心」できる環境でした。そして、次に必要だったのは、先生が「学校は来れる時でいいんだよ」と受け入れてくれた「寛容さ」。その結果、本人は落ち着いて自分を見つめることができ、今では自分と同じような辛さを経験している子どもを助ける医師になりたいという夢があります。町で白衣を着ずに、楽しそうに活動されている総合診療医の方との出会いが、彼の挑戦へとつながったんです。
知事:なるほど、たしかに人によってピンとくる順番は違うかもしれません。特に近年はクマの被害や水害の問題もあり、「安心」を最優先する声が多いのは事実ですね。
高橋:そして、水害やクマの問題は短期的な解決策と長期的な視点の両方が必要ですよね。
知事:おっしゃるとおりで、クマに関しては、まず喫緊の課題として住民の安全・安心を確保し、その上で中長期的にはクマとの共生を実現していかなければなりません。
高橋:住民が心豊かに安全に暮らせるまちづくりは、自分の使命だと感じています。秋田の人々が持つ優しさやほどよい距離感はこの土地の良さであり、次世代へとつないでいきたいですね。

●「安心」を取り戻し、新たな「挑戦」を
知事:2026年は午年(うまどし)。旧弊を打破し、思い込みを突破するのに最適ですね。県民の皆さまの期待にしっかりと応えていくこと、特にクマの問題については、二度とクマが市街地で人を襲うなどということが起きないよう、県として全力で対策を講じていくつもりです。
高橋:秋田に帰ってきて3年になりますが、毎年新しい秋田を発見し、私自身も多くの挑戦をさせてもらっています。地域の方々が子どもたちを預かってくれたり、雪かきや草刈りを手伝ってくれたりと、多くの方に支えられて今の私の暮らしがあります。そうした人とのつながりを大切に育みながら、今年も熱く新たな挑戦をしていきたいです。
知事:県としても皆さまの安心を取り戻し、その上で、交流人口や定住人口の増加といった政策課題に関して変化の一端をお見せできると思いますので、ぜひ期待していてください。

※次期総合計画
県が新たに策定する2026年度〜2029年度を計画年度とする「秋田県総合計画」

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