- 発行日 :
- 自治体名 : 秋田県大仙市
- 広報紙名 : 広報だいせん「だいせん日和」 2025年6月号
5 安全・安心なまちづくり
市民の皆さまが安全で、安心して暮らしていくためには、災害に強いまちづくりの推進と、道路や橋りょうをはじめとした生活インフラの計画的な整備が重要です。
防災の要諦は「安きに居りて危うきを思う」であると言われています。頻発化、激甚化する自然災害から市民の皆さまのいのちと財産を守るため、国土強靱(きょうじん)化地域計画等に基づく防災・減災対策を強力に進めるとともに、頻発する水害の解消に向けた河川整備の促進に係る要望活動や、国や県、関係市町村等と連携した流域治水を推進するほか、これと並行して共助を基盤とした自主防災組織の結成と活動を促進し、地域の災害対応力の強化を図っていきます。
また、冬期間における安全で安心な暮らしを確保するため、道路の除排雪体制の充実や共助による除雪体制づくりなど、市民の皆さまとの協働による雪対策を引き続き推進していきます。加えて、危険な空き家の発生抑制や解体支援、優良な空き家の利活用を促進するとともに、デジタル技術も活用しながら、予防保全型管理を基本とした各種インフラの長寿命化や、人口動向や利用状況等を踏まえた最適化・縮充も念頭に、生活基盤の維持確保に取り組んでいきます。
6 だいせん創生の加速化
改めて、地方創生とは、かつての地方都市が目指した都会化を進めることや、他の自治体の模倣ではなく、ここにしかない、あるいは地域の強みとなっている資源を掘り起こし、共有し、そして新たな価値として活用する「攻め」と、地域の課題にしっかりと向き合い、その解決に取り組みながら地域の持続性を高めていく「守り」の両面から、地域の一人一人が当事者として参画し、自律的で持続的な地域社会を創生することです。
こうした観点から、これまで地方創生に向けた3本の矢を放ち、そして、人口減少が進行する中にあっても、持続可能な地域づくりに取り組んできたところです。
地方創生「第一の矢」に位置付ける「花火産業構想」については、「花火産業推進プロジェクト」のもと、関係団体と連携を図りながら、本市を代表する地域資源として、その価値を市民の皆さまと共有するとともに、「大曲の花火」の高い芸術性と優れた技術力を国内外に広く発信し、令和10年の第100回記念大会を見据えたグローバルな花火産業基盤の確立を図っていきます。
地方創生「第二の矢」である「大仙市農業と食に関する活性化基本構想」につきましては、担い手の確保や省力化、低コスト化に向けたスマート農業のさらなる推進、農産物の高付加価値化に向けて実効性のある計画となるよう、農業や食料を取り巻く環境の変化、多様化する食へのニーズ等を的確に捉えながら、次期構想の策定を進めていきます。
地方創生「第三の矢」については、「大仙市文化財保存活用地域計画」を核に、関係機関等と連携・協力しながら、有形・無形の文化遺産の総合的、かつ一体的な保存と活用に取り組むとともに、観光と連携した文化観光ツーリズムなど、さまざまな分野との相乗効果を発揮しながら、地域の活性化につなげていきます。
スポーツを起点とした地方創生については、引き続き全国・全県500歳野球大会や「だいせん田園ハーフマラソン」大会など、特色あるスポーツ資源を起点に、スポーツ合宿やスポーツツーリズムを一層推進していきます。今夏、本市で開催される「第31回世界少年野球大会秋田大会」は、本市の魅力を海外に向けて発信する絶好の機会ですので、その推進に向けた契機にしたいと考えています。
観光による地方創生については、その基盤となる観光拠点の整備を着実に進めるとともに、花火や文化財、行祭事、地酒や食などの地域資源を組み合わせ、一過性のにぎわいづくりではない、大仙市らしさを前面にした観光スタイルを訴求し、経済効果の最大化を図りながら、インバウンドを含めた観光誘客を推進していきます。
7 未来に続く共創のまちづくりの推進
今後、人口減少のスピードが緩和したとしても、しばらくは人口減少が続くことから、それに耐えうる地域社会の構築が急務です。
人口減少社会の進行を見据え、都市機能の集約・充実と生活機能の維持・強化に向け、「大仙市都市計画マスタープラン」をはじめとしたハード面におけるまちづくり計画の実効性を高めるとともに、利用状況や地域の移動ニーズを的確に把握し、デジタル技術の活用や地域主体の新たな移動手段の導入も視野に、効率的で利便性が高く、持続可能な公共交通網の構築に向け、次期交通計画を策定していきます。
こうした取り組みの一環として、大曲駅周辺の再整備に向けた検討を促進するほか、主要な都市公園の再整備も進めていきます。
また、ソフト面の対策として、地域資源の掘り起こしやその活用による活性化策の展開、住民主体の地域づくり活動への応援や地域コミュニティの強化のほか、地域おこし協力隊活動の充実などにも引き続き力を入れていきます。とりわけ、地域自治区単位での活性化事業については、より生活に身近な単位での活動の活発化や、地域の枠に留まらない活動が芽生えていることに加え、地域によって課題や将来に対する考え方、さらには、人口減少のスピードや人口構成の変化などが異なることを踏まえ、地域軸や時間軸を意識しつつ、大仙市全体の一体感にもつながる効果的な取り組みとなるよう、抜本的な見直しを図っていきます。
さらに、「第2期大仙市SDGs未来都市計画」のもと、市民の皆さまのウェルビーイング(※)の向上と世界共通の目標であるSDGsの達成に向け、各種取り組みを推進するほか、脱炭素社会の実現に向け、「大仙市地球温暖化対策実行計画区域施策編」に基づき、再生可能エネルギーの導入や省エネ化、廃棄物の減量化と資源の循環利用の各面から、オール大仙で取り組みを進めていきます。
※ウェルビーイング(Well-being)…well(よい)とbeing(状態)からなる言葉で、個人や社会の良い状態(身体的、精神的、社会的全てが満たされた良好な状態)を指す概念