文化 かつての姿を取り戻す 三山電車「モハ103」車両修復完了

かつて「三山電車」の愛称で親しまれ、寒河江と西川を結んでいた鉄道路線・旧山形交通三山線の木造車両「モハ103」の修復が完了しました。
モハ103は三山線廃線後、株式会社設楽酒造店の敷地内に展示されていましたが、雪の重みで屋根が陥没し、老朽化が進んでいました。こうした中、三山電車保存会(古澤勝廣会長)を中心に修復に向けて動き出し、今年、クラウドファンディングで修復費用を募りました。約1500万円が集まり、車体の塗装や内部の修繕を行いました。
10月19日、「修復完成披露式典」が開催され、関係者約20人が参加しました。古澤会長は「当時の姿を再現することができて安心した。これからまた100年は残せると思うので思い出を伝えていきたい」とあいさつ。式典終了後、参加者は修復が完了した車両内部などを見学し、よみがえった当時の姿を懐かしんでいました。当時を知る元車掌の柴田庄一さんは「昔の思い出がよみがえった。これからもこの電車とともに生きていきたい」と話しました。また、修復作業に参加した渡邊孝祐さんは「この車両ではないが、三山電車で学校に通ってお世話になった。恩返しができたようで嬉しい」と話し、貴重な体験に深く感動されていました。