スポーツ 住人十色(じゅうにんといろ) 番外編

■祝 全国制覇
KOWA Presents 第16回 全国高等学校女子硬式野球ユース大会 優勝

◆感謝の気持ちを忘れずに、もっと活躍できる選手になりたい。
クラーク記念国際高等学校 女子硬式野球部1年
小松莉々姫(こまつりりか)さん(八ツ沼区)

関市民球場(岐阜県)などで8月18日から27日に行われた“KOWA Presents 第16回 全国高等学校 女子硬式野球ユース大会”。全国から61チームが出場する本大会で、クラーク記念国際高等学校女子硬式野球部(宮城県)が優勝し、全国制覇3連覇という快挙を達成しました。
その名門野球部メンバーの一人として活躍している八ツ沼区の小松莉々姫さん。今回は、小学校3年生から野球を続けてきた小松さんに、これまでの思い出や今後の抱負などをお聞きしました。

○優勝したときの率直な感想は?
正直、優勝した実感はありません。ただ「このままじゃ初戦敗退だよ」と言われ続けた中で結果を残せたことはとてもうれしく思います。同時に、自分の中ではもっと試合に出て活躍したかったという悔しさもあります。

○これまで感じた辛かったことは?
新チームになってから間もなく、自分の思うようなプレーができなくなったことがあり辛い思いをしました。その頃は、人生で初めて野球を辞めたいと感じましたし、本当にこのまま続けていいのか、わざわざ県外の学校に進学させてくれた両親に申し訳ない、などと思い泣いていました。

○うれしかったことは?
練習中、いつも「今のは違う」などと指導してくれる総監督に褒めてもらえることがうれしいです。総監督からの指導を意識するようになってから、打ちたかったホームランのイメージがつきやすくなり、実際に打てたときは大きな達成感と喜びが込み上げてきました。今は、確実に外野の頭を越せる打球を打てるようなフォームを追求しています。

○野球を始めたきっかけは?
兄の影響もありますが、小学1年生~4年生のチームで出場するティーボール(台の上に置かれたボールを打つ競技。打った後のルールは野球とほぼ同様)の人数が足りなくて誘われたことも大きなきっかけとなり、小学3年生の秋頃に始めました。

○始めたばかりの頃の思い出は?
ティーボールでホームランを打てるようになったときのことは、今でもしっかりと記憶に残っています。そしていつからかホームランバッターを目指すようになり、毎日のように緑が丘公園に通って、当時のコーチにフォームやコツなどいろんなことを教えてもらいました。忙しい中、時間を作っていただき、とても感謝しています。
また当時、野球以外で兄に勝つことを意識しており、その方法の一つとして、誰よりも道具をきれいにすることと、誰よりも手伝いをすることを心がけていました。今もこの2つは常に大切にしています。

○野球に感じる魅力は?
どんなに点数差が開いていても一発逆転の可能性があるところです。中学3年生の大会で、8点という点数差の中でもみんなであきらめずにつないだ結果、逆転勝ちしたことがあります。大会では準優勝で終わってしまいましたが、改めて〝最後まで何が起こるか分からない〟という魅力を実感しました。

○野球をする後輩たちに一言
私は小学生の頃、兄と比べると全くと言っていいほど努力をしておらず、自分が思うような結果が出なくても、何が悪いのかを追求することもしてきませんでした。そのまま中学生になり、硬式野球クラブの寒河江ボーイズに入団したのですが、そこで男子との力の差を感じたのです。
このことをきっかけに、少しでもその差を埋めるためコツコツ努力するようになりました。
そして、努力が自信につながること、試合での結果につながることを実感しました。現状に満足せずに努力しながら、これからも野球を続けてほしいです。

○今後の抱負は?
高校3年間の中で、さまざまな大会で優勝すること、〝高校野球女子選抜vsイチロー選抜KOBE CHIBEN〟(イチロー選手が現役引退後に結成した野球チームと高校野球の女子選抜メンバーが勝負する高校野球女子強化プログラム)の選抜メンバーに選ばれることを目指して頑張ります。
たくさんの方々に支えていただいているおかげで、こうして今も自分が大好きな野球ができているので、これからも常に言葉や行動で感謝の気持ちを伝えながら生活することを心がけていきます。そして、自分のためではなく、家族や自分を応援してくれている人のために結果を残していければと思います。父と母にホームランボールをたくさん渡せるようなバッターになりたいです。