くらし 特集 地域資源、どう生かす(2)

◆地域に必要とされる会社に
○定例会で図る連携
同社では、社長と各部門の幹部が出席する定例会を毎月2回開催し、連携を図りながら業務を進めています。会議では、各部門の状況報告や取り組み内容、成果などを共有し、他部門の動きに合わせた企画づくりや、優れた事例の活用など、相乗効果を生み出す取り組みを行っています。
また、首都圏の3社から派遣され、同社で業務にあたっている地域活性化起業人も加わり、毎月1回の定例会を実施しています。民間企業の専門的なノウハウを生かし、業務改善や新たな事業展開につなげています。

○現時点における取り組み
統合に伴い、りんご温泉では宴会場が9月にオープン。りんご温泉での食事に関するニーズが多かったこともあり、多くの方から利用いただいております。
また、ふるさと納税については返礼品を提供する事業者に向けた説明会を開催。提供を呼びかけたところ多くの事業者から協力をいただき、3月末時点で182品目だった返礼品の数は10月末には338品目に増加しました。
各部門で現在考えられている、今後の取り組みについては以下のとおり。これまでの取り組みに加え、新たなことに挑戦しながら地域に必要とされる会社を目指しています。

◆各部門の今後の取り組み
○Asahi自然観
主な業務:
・コテージの運営
・スキー場の運営
・公園などの管理
今後の取り組み:
・スキー場に新たな魅力
・周辺の環境を活用

今シーズンより、ユーユーゲレンデ・ファンタジーゲレンデでの営業となります。特にファンタジーゲレンデは改修し、中上級者やボーダーが楽しめる広い1枚バーンが誕生します。
令和8年度にグランドオープンする“朝日自然観コテージ村”の管理棟が完成し、12月運営開始を予定しています。コテージ運営と合わせて、美しい星空や空気神社などをお楽しみいただけるよう環境整備に努めます。
長岡孝司 支配人

○りんご温泉
主な業務:
・温泉の運営
・給食、飲食事業の運営
・健康促進事業の運営
今後の取り組み:
・飲食事業やイベントの充実化
・のんぽかの森の活用とプログラムづくり
・温泉・自然・食を通じた健康促進

宴会場の営業を開始し、多くのご予約をいただきありがとうございます。今後は、宴会場を生かした気軽にご利用いただける飲食プランやメニューの充実を目指してまいります。
また、りんご温泉周辺の里山“のんぽかの森”には、美しく整備された林や遊歩道があります。これらの自然環境を生かした森林浴などの体験プログラムづくりにも取り組んでいます。
さらに、りんご温泉の泉質(モール泉)は美肌効果があることでも知られています。敷地内の森林なども活用し、温泉・自然・食を組み合わせたヘルシープログラムを考案することで、町民の健康促進にも取り組んでいきます。
松田勝美 支配人

○道の駅あさひまち
主な業務:
・道の駅の運営
・製造施設の運営
今後の取り組み:
・道の駅としての可能性を高め、“朝日町を知るきっかけ”づくり
・惣菜製造から菓子部門強化へ
・ネット販売を導入
・キッチンカーで売り場拡大

アップルパイをはじめとしたりんごを使っているお菓子が、多くのニーズを集めていることに伴い惣菜の加工を縮小し、お菓子の加工に注力します。
加工品などをメインに商品のネット販売を取り入れ、より多くの方に購入していただける環境を目指します。
また、キッチンカーの導入を計画し、大人気のアップルマルシェなどのイベント時の売り場拡大につなげます。
新しいことに挑戦するとともに、商品を出品してくださる方が安心できるよう、これまでの取り組みをさらに磨いていきます。町の玄関口として、特産品や町内事業所の魅力発信に努めます。
加藤拓生駅長兼地域商社副事業部長

○地域商社事業部
〔観光事業〕
主な業務:
・町全体をつなぐ観光の推進
・着地型観光の提案
・インバウンド観光の誘客
・観光コンテンツの開発
・イベント企画、実施
今後の取り組み:
・町のファンとのつながり創出
・農泊事業や滞在型プログラムの推進

〔物産事業〕
主な業務:
・ふるさと納税の運営
・催し物などでの直売
・商品の企画、開発
・森林サービス産業
今後の取り組み:
・ふるさと納税の推進
・農産物等を生かした6次化

観光事業は、町観光振興計画の基本方針である“町のまるごと観光地化”の実現に向けて取り組んでいます。その基盤となるのはエコツーリズムの考え方。農家や宿泊事業者と連携し、点在する観光資源を結ぶ農泊推進のほか、地域全体を“学びと癒やしの場”と捉えた、“暮らすように学ぶ”滞在型研修プログラムの造成を検討しています。また、町や観光3施設を応援してくださる方々とのつながりを広げるため、アプリを活用した交流促進にも取り組みます。デジタル会員証や3施設共通のお得なクーポンを発行し、イベント情報やふるさと納税の案内などを発信することで、町への関心を高め、交流の拡大と新たなファンの獲得を目指します。
物産事業では、ふるさと納税に専従できる体制を整え、返礼品のバリエーション拡充やPRを強化し、町の特産農産物などを生かした6次産業化による新商品の開発にも取り組みます。地域活性化起業人などの専門家の意見を取り入れながら事業を進め、町民の思いとともに、町の魅力ある産品をより多くの方へ届けていきます。
成原哲也統括本部長兼地域商社事業部長

◆ロゴに込められた思い
朝日町の頭文字「A」をデフォルメし、3つのパーツで構成することで、統合による相乗効果が表現されています。
また、朝日町から産業を広げ、発展・発信していく企業の姿を象徴。配色には朝日町のイメージカラーであり観光交流3施設のロゴマークにも使用されている赤、町の豊かな自然を象徴する緑、そして空気神社と澄んだ空気をイメージする水色が組み合わされています。
デザイン:DMサインスタジオ 代表 渡邉幸雄さん(元町)

◆interview
町民の皆さんから信頼を得られる会社に
川口幸男 代表取締役社長
株式会社朝日町総合産業開発は、観光交流3施設の機能を十分に発揮するとともに、これらの施設の連携を図ることで町の関係交流人口を拡大させ、にぎわい創出を目指し取り組んでいるところです。
あわせて、町外における積極的な町の魅力発信や地域商社として担う役割にも力を入れ、3施設に限らず町内事業の経済的な活性化、地域の価値向上にも寄与してまいります。また、単なる利益追求だけではなく「町のためになることは何か」を常に考え町全体の観光地化や地域活性化を図ります。
物販をはじめとする全ての事業は、私たちだけで成り立つものではなく、町民の皆さんからのお力添えが必要です。皆さんの役に立てるように努め、信頼される会社を確立してまいりますので、ご理解とご協力をお願いします。