しごと 特集 輝ける場所が庄内町(ここ)にある(1)

庄内町には約860か所※の事業所があります。事業所の数だけ「職場」があり、働く人たちがいます。様々な仕事、たくさんの人に支えられ、私たちの生活は成り立っています。庄内町で働いている人は様々です。庄内町出身の人もいれば、そうでない人も。どの人にも、庄内町で働く、庄内町の事業所を選択した理由があるはずです。
本特集では、町内の5事業所で働く若者のみなさんにフォーカスし、仕事の魅力を語っていただきました。地元を離れ都市部で働く若者が多い今、庄内町で働く若者が何を思って働いているのか、輝く姿にご注目ください。
※令和6年度版庄内町の統計より抜粋。数値は令和3年度時点のもの。

■庄内町企業ガイダンス
学生および保護者、UIJターン希望者、一般求職者向けに、町内企業が参加する企業ガイダンスを開催しています。

■「長く後世に残るものを作れるやりがいのある仕事です」(有)社寺工房上野 本登息吹さん
本登さんは鶴岡市出身の26歳。中学生の頃から宮大工を目指しており、今は(有)社寺工房上野で活躍しています。後世に残るものを作ることに誇りを持って働いている本登さんに、仕事のあれこれを語っていただきました。

―就職したきっかけを教えてください
「子どものころにお祭りなどで神社や寺に行ったときに、建物がどのように作られているのか興味が湧きました。中学二年生の頃には宮大工になろうと決意を固めていたと思います。県外での就職も考えていましたが、地元でも職場を探したところ、社寺工房上野にたどり着きました」

―どんな仕事をしていますか?
「神社仏閣の新築・改修です。今は静岡のお寺を改修しています。具体的には部品の加工や組み立て、塗装などを行います。色々な作業がありますが、大工らしい作業なので加工全般が好きです(笑)役割分担などは特に無いので、全体の流れを見て作業に取りかかっています」

―仕事のどんなところにやりがいを感じていますか?
「私が作った物が長く後世に残るということです。もちろん手入れをすれば、500年近く持つものなので、丁寧な作業を心がけています。新築や改修に携わった以上、みなさんには大切に使って欲しいですね」

―印象に残っている現場はありますか?
「2年目のときに地蔵堂を作ったことです。私が最初から最後まで携わった初めての現場でした。以降、私の仕事のベースとなっています」

―働いて大変だったことはありますか?
「現場がほぼ県外なので、1年目はホームシックになりました。なかなか泊まりこみの集団生活に慣れず…。今は慣れましたし、休みの日はよく街へ遊びに出かけています」

―働いてよかったことはありますか?
「夜勤はないし、残業などもほとんどありません。生活リズムが安定しています。また親方が話しやすいことも良かった点です。分からないことがあればなんでも丁寧に教えてもらえるので、変に緊張することはないです」

―これから宮大工を目指すみなさんに一言
「大変な仕事だと思います。長く残る地域のシンボルを作るわけですから、強い責任感が必要です。ですが、多くの人に長く親しまれるものを作れることは、楽しくやりがいのあることです。とても魅力のある仕事だと思います」

▽企業DATA
(有)社寺工房上野 狩川字西田123-10
社寺建築の専門的な知識と技術を有する建築会社。その歴史は長く、大正13年に「上野林蔵大工」として創業し、今年で101年目を迎えた。県内外から受注があり、近年は鶴岡市の龍蔵寺の山門や永福寺の本堂を手掛けた。建物のほか、御堂やテーブル製作も。