- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県福島市
- 広報紙名 : ふくしま市政だより 令和7年3月号
■第78回「市民センターに寄せる思い」
3月1日、市民の多用途活動拠点 市民センターがオープンします。真新しい建物に、多様な交流機能と最新の防災・環境機能。障がい者団体が営むカフェにユニバーサルデザイン、そして齋正機(さいまさき)さんのほんわかとした絵が来場者をあたたかくお迎えします。既に多くの予約で埋まり、ここで市民が生き生きと活動されることを想像すると感無量です。
振り返ると、耐震性が不足し老朽化していた公共施設の戦略的再編整備の検討に着手したのが、市長就任後半年の平成30年5月。7カ月後には、中心市街地の将来ビジョンと合わせて、風格ある県都のまちづくり構想を策定。中央学習センターや市民会館等の身近な機能は、新しい西棟として統合・複合化し、公会堂機能と市民会館の他の機能は、東口再開発の中で交流集客施設を整備することにしました。
新しい西棟は市民センターに衣替えし、令和4年10月に着工しましたが、工事費高騰の折り、1回は入札が流れ、事業者の努力で2回目に落札されました。大幅な計画変更を余儀なくされた東口再開発と異なり、物価スライドによる契約変更を行いながらも、ほぼ当初計画通り完成にまで滑り込めました。超特急で進めても、検討開始から完成まで約7年。やはり月日を要するものです。
この間、福島県沖地震があり、修復困難な損傷を受けた市民会館のさんどパークは、道の駅ふくしまのももRabiキッズパークに生まれ変わりました。私は、耐震性が不足する施設が不安でなりませんでしたが、無事、市民センターに引き継ぐことができて安堵しています。市民センターは、免震構造で、自家発電設備や耐震性貯水槽も配備。日常利用はもちろん、災害時の避難にも安心してお使いいただけます。
従来の西棟構想からは、市議会が自発的に3階分から2階分に減らし、その分、市民利用専用を2階分に増やしました。市役所の1階分も、事務機能を東棟に移し会議室を市民センターに集約するという創意工夫で、夜間・休日は市民利用を可能としました。
齋正機さんには、市のシンボル施設にふさわしい絵を!という願いを受けて、「福島」への郷愁(きょうしゅう)が湧き出てくるような絵を描いていただきました。この絵に見守られて、市民主役の多様な活動が活発に展開され、「福島」への愛着を高めながら、市民と地域が元気になっていくことを願っています。
福島市長 木幡 浩(こはたひろし)