健康 市民の健康教室

■整形外科医療録(4)
ー肘の痛みー
肘は、日常生活の中で痛みがでやすい部位の一つです。お子さんの手を引っ張ったら、肘が痛くなり動かせなくなった経験のある方もいらっしゃると思います。腕全体が動かせなくなるため肩が抜けたといわれることもあります。
これは医学的には「肘内障(ちゅうないしょう)」といわれ、肘関節の中にある靱帯が少しずれることによって発症します。ぶつけたりしておらず、痛いといっても腫れていません。多くは簡単な整復操作で治すことができます。
しかし、子どもの肘は折れやすい部位であるため、転んだりした場合は、レントゲンを撮影し骨折が無いことを確認することが大切です。
大人で多い肘の痛みは、手首を使いすぎることで、手首を動かす筋肉の肘の部分に負担をかけて発生します。腱の炎症で「外側上顆炎(がいそくじょうかえん)」と呼ばれます。
治療は、痛む動作は避け、肘の先にバンドを巻いて負担を減らします。注射も効果がありますが、無理を続けると手術が必要となることもあり、早めの手当が大切です。

■けんこうQandA 腎臓内科(4)
ー動脈硬化が腎臓に与える影響は?ー
動脈硬化は腎臓病の大きな原因の一つです。腎臓には、糸球体といわれる血液をろ過して尿を作る装置があり、1個の腎臓で約100万個あります。動脈硬化が進むと、この糸球体が減少し腎臓機能が低下します。これを「腎硬化症」といい、慢性腎臓病(CKD)の最も多い原因です。
動脈硬化の原因には、高血圧をはじめとして、高コレステロール血症、糖尿病、喫煙、肥満、運動不足、加齢などが挙げられます。高血圧があると、血管の内壁に強い圧力がかかり、血管が損傷して炎症が起こり、修復過程で動脈硬化が進行します。また、血中の悪玉(LDL)コレステロールが増えると、血管の内壁にプラーク(コブ状の塊)が形成され、動脈硬化を引き起こします。
腎臓を守るためには、血圧を適正に保つことが重要です。減塩などの適切な食事や運動、禁煙、ストレス管理を心がけましょう。バランスの取れた食生活や生活習慣の改善が、腎臓と血管の健康を守る鍵となります。

◎かかりつけ医の紹介・相談は、医師会事務局へ

提供・問い合わせ:(一社)いわき市医師会
【電話】38-4201