文化 白河かるた 札でつながる今・昔 一枚目「おとめ桜」

白河小峰城は石垣の美しさから、盛岡城(もりおかじょう)、鶴ヶ城(つるがじょう)に並び「東北三名城」と称され、桜の名所としても有名です。
なかでもひときわ目を引くのが、三重櫓(さんじゅうやぐら)の傍らにたたずんでいる「おとめ桜」ですが、この桜には、ある物語が伝えられています。
江戸時代、白河藩主丹羽長重(にわながしげ)は小峰城の改修工事を進めていましたが、石垣が何度も崩れてしまう状況に悩まされていました。
そこで、工事が無事に進むことを祈願し、人柱(ひとばしら)を立てることにしました。
そして〝誰にするのか〟家臣たちは協議の結果、朝一番に城に入った若い娘を人柱にすることにしました。
果たして〝誰が入ってきたのか〟皮肉にも人柱を協議した家臣の娘である「おとめ」だったのです。
その後、人柱が立てられた場所の石垣は二度と崩れなかったそうです。
おとめの悲しい境遇を悼み、人々は一本の桜を植えました。これが「おとめ桜」と呼ばれるようになりました。
この「おとめ桜」は戊(ぼしん)戦争の際に焼失してしまいましたが、現在は2代目のおとめ桜が、可憐な花を咲かせて三重櫓を彩っています。

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