- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県相馬市
- 広報紙名 : 広報そうま (令和8年2月1日号)
■相馬の民俗「宇多郷の神楽」
旧相馬藩領は7つの郷(宇多郷、北郷、中郷、小高郷、北標葉郷、南標葉郷、山中郷)からなります。藩主は各郷に建立した雷神社に神楽を奉納するよう命じ、相馬市では今でも各地域に神楽が伝承されています。
相馬地方の神楽は、相馬中村藩で奉納されていた当時の姿をよく残していることから、「相馬宇多郷の神楽」として、県の重要無形民俗文化財に指定されています。
■相馬の自然
市の自然の特徴は、変化に富んだ地形と温暖な気候です。東端の太平洋、平野部の市街地、里山、渓谷、阿武隈高地など多様な環境を有しています。
市内東部は、県で唯一の汽水湖(潟湖)である松川浦があり、多くの渡り鳥が飛来します。松川浦周辺の湿地には汽水域や湿地に生息する希少な昆虫(汽水生のトンボなど)をはじめとした、多様な生物が見られます。また、江戸時代後期に藩の政策でつくられたため池は、現在も多数残っており、鳥類や水生生物の貴重なすみかになっています。
市内西部は、霊山・天明山に代表される阿武隈山系の山並みが広がっています。霊山は、長年の風化と浸食により露出した、荒々しい山肌が特徴です。山地の東部には、塩手層など古い地質時代に形成された地層が広く分布しています。
○ヒカリモ(赤木)
ヒカリモは、ため池や洞窟の水たまりなどの流れが少なく気温変化が小さい水場を好む藻類で、太陽光を反射し黄色や金色に見えます。
○塩手層(山上)
霊山の東側に分布する中新世(約2,000万年前)の地層であり、かつて浅い海か湖沼の環境であったことを示しています。また、植物の化石も多数見つかっています。
■相馬市史の見どころ
相馬市史編さんに関わっていただいた、市文化財保護審議会の岩﨑真幸会長に話を伺いました。
―相馬市史全巻刊行まで編さんに関わられた感想をお聞かせください。
相馬市史は、「時代史」の3部会と、「自然」、「民俗」、「特別編」の計6部会で編さんが進められました。そして、その編さん中に東日本大震災が起こりました。大震災は、それまで積み重ねられてきた歴史や文化、そして自然を一瞬で破壊してしまうものでした。この出来事を通じて、記録や人々の記憶が、かけがえのない財産であることを改めて痛感しました。
―これから市史を読まれる方に、一言お願いします。
相馬市史は、6つの部会が学問的な方法や手法を駆使して得た成果を収録しています。これは、あくまでも編さん時点での成果であり、今後さらに補強し、深化させていく必要があります。市民の皆さんが市史を積極的に活用することによって、その成果はさらに充実していくでしょう。相馬市には旧市史7巻と今回の市史10巻がそろっており、これらを補完的に活用することで、地域の歴史をさらに発展・深化させていくことができると考えています。
■相馬市史全巻刊行記念企画展
◆相馬市ってどんなとこ?~相馬市史から見てみよう~
期間:1月31日(土)~3月15日(日)
※歴史資料収蔵館休館日(2月23日(月)以外の月曜日および2月24日(火))を除く。
場所:歴史資料収蔵館
開館時間:9時~16時
◆講演会andパネルディスカッション
日時:2月21日(土)13時~15時50分
場所:中央公民館2階会議室
内容:下記のとおり
*詳細はホームページを確認ください。
○講演会
演題・講師:
・「相馬市の原始・古代」
玉川一郎氏(福島考古学会元会長)
・「明らかになった相馬の近世社会の特質-相馬市史編さん事業の成果と課題-」
齋藤善之氏(東北学院大学教授)
○パネルディスカッション
・コーディネーター
岩﨑真幸氏(市文化財保護審議会会長)
・パネリスト
高橋充氏(県立博物館副館長)
玉川一郎氏(同左)
齋藤善之氏(同左)
■歴史とともに歩むまち相馬
市は、文化財の保護とともに資料の公開活用、教育の場の提供を通して、市民が郷土に誇りを持てるよう、さまざまな取り組みを行っています。
歴史資料収蔵館では、さまざまなテーマで年2回企画展を開催しています。今後もぜひ、歴史資料収蔵館にお越しください。
問い合わせ先:生涯学習課
【電話】37-2100
