くらし Q(キュー)ちゃんの、つぼくら先生! 放射線のこと教えてコーナー

Qちゃん:市内に住む小学生
つぼくら先生:相馬中央病院医師 福島医大主任教授

■廃炉作業はどうなっているの?
Qちゃん:先生、ALPS処理水の海洋放出が始まってからもう1年以上経ったけど、福島第一原発の廃炉作業はどうなっているの?

つぼくら先生:福島第一原発の廃炉作業は、国によると完了するまでに30年から40年かかるとされているんだ。ただ、具体的な完了の時期はまだ分からないんだよ。最近、燃料デブリの一部を取り出すことに成功したというニュースもあったよ。

Qちゃん:東日本大震災からもう13年以上経っているけど、それでもまだ終わらないの?

つぼくら先生:廃炉作業はとても複雑で、まず地震が起きたときに稼働中だった原子炉を冷やすことから始まったんだ。安定させるまでに時間がかかったし、その後も汚染水の対策や燃料デブリの取り出し、廃棄物の処理など、たくさんのステップがあるんだ。それらを一つずつ順番に進めていくことで、ようやく内部の調査や新たな作業ができるようになっているんだ。

Qちゃん:そんなに時間がかかったら、建物が崩れたりして、危なくなったりしないのかな?

つぼくら先生:施設の劣化にも気を付けているよ。でも、原子炉を解体する作業で出る廃棄物は高い放射能を帯びていて、とても危険だから、安全第一で慎重に進めなければならないんだ。作業員が受ける放射線量を減らすようにすることも重要だよ。

Qちゃん:そうなんだ。確かに作業する人が病気になったらもっと遅れちゃうし、風評被害も起きたら復興が遅くなるもんね。急がば回れってことだね。

つぼくら先生:その通りだよ。安全を大切にしながら、慎重に作業を進めていくことが大事なんだ。

Qちゃん:うん、わかったよ。先生ありがとう。

参考資料:
・東京電力ホームページ「廃炉作業の状況、廃炉プロジェクト」
・経済産業省ホームページ「廃炉・汚染水・処理水ポータルサイト」
・県ホームページ「廃炉を知る」

■今回Qちゃんが分かったこと
・廃炉作業はとても難しい作業で危険を伴うため、安全を最優先させて進めていること。
・廃炉作業は、完了までに長い時間がかかるとされている、とても難しい作業であるため、急いで進めると危険なこと。

問い合わせ先:放射能対策室
【電話】37-2270