- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県守谷市
- 広報紙名 : 広報もりや 2025年9月号
■デジタル大国デンマークでの思い出
普段、この滞在記ではドイツについて書いていますが、今月は別のヨーロッパの国について書きたいと思います。ドイツの北にあるデンマークは、北海とバルト海に囲まれた半島で、ドイツに比べると小さな国です。人口は590万人ぐらいで、首都はコペンハーゲンです。
私は、今まで2回デンマークに行ったことがあり、直近で訪れたのは2022年の秋でした。コペンハーゲンはとても素敵な都市で好きになりました。海が近いので、港もあり、国王のお城など美しい建物と美味しいレストランも多かったです。中心地には街中モニター(デジタルサイネージ)が多くあり、きれいで少し東京に似ていました(もちろんコペンハーゲンより東京の方がずっと大きいです!)。
デンマークは、世界で最もデジタル化した国の一つとして知られています。ドイツは、現金がないと困るところがありますが、デンマークは逆に、スマホやクレジットカードがないと困る場所が多いです。デンマークの通貨はユーロではなくクローネですが、現金が使えないお店が多いので、外貨両替の必要がありません。ドイツもスーパーなどではキャッシュレス決済ができますが、駅前の屋台や公衆トイレは現金のみになる場合があります(ヨーロッパの公衆トイレは有料のことが多いです)。デンマークは、小さなお店・公衆トイレ・屋台でもキャッシュレス決済ができ、とても便利でした。
一方で、デジタル化のデメリットもあります。旅行中、ドイツにいる家族と友達に絵ハガキを送りたいと思い、絵ハガキを買いました。でも、切手を買える場所が見つかりませんでした。デジタル化の影響で、郵便局が少なくなり、付近には全くなかったのです。ようやく買える場所を見つけたと思ったら、ヨーロッパに送るハガキ用の切手は1枚35クローネで、円にすると780円でした。ハガキを5枚買っていたので、切手代が4千円になる計算です。デジタル化が進んだ昨今、手紙やハガキを送る人が少なくなりメールに移行したので、郵便代が高額になりました。デンマークの行政機関も、手紙などの代わりにスマホのアプリで確認できるメールを送るようになりました。
効率的で経済的にもメリットが多いデジタル化ですが、ちょっぴり残念なところもありますね。デジタル化を享受しつつ、必要に応じて伝統的なアナログなものも残せたらと感じました。皆さんは、デジタル化についてどう考えますか? デンマークから送りたかった絵ハガキは、結局ドイツに入国してから送りました。