- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県桜川市
- 広報紙名 : 広報さくらがわ No.483(2025年11月1日号)
日本人の高血圧患者は約4,300万人と推定されており、成人の3人に1人が高血圧という「国民病」といえます。心疾患や脳卒中などの重篤な病気を引き起こす原因ともなる高血圧ですが、食生活の見直しにより予防や改善の効果が期待されます。
今回は、近年注目を集めている高血圧予防のための新たな健康指標「ナトカリ」をご紹介します。

■ナトカリとは
ナトリウム(塩分)とカリウムの略で、高血圧予防のためにナトリウムを減らし、カリウムを多く摂る食生活を指します。食事から摂取したナトリウムとカリウムの大部分は尿に排泄されるため、尿検査による「ナトカリ比(ナトリウム/カリウム)」を測定することで、食事のバランス(塩分の過剰摂取やカリウム不足)を把握することができます。
ナトカリ比が高いということは、体内のナトリウムの摂取量が多い一方で、カリウムの摂取量が少ない食事が続いていることを示します。この状態は高血圧や循環器疾患のリスクを高めるため、食塩摂取を減らし、カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂ることで改善することが推奨されています。
理想的なナトカリ比は2未満とされ、高血圧予防のためにナトカリ比を2未満に保つことが望ましいです。
■ナトリウムを減らすために
・むやみに調味料をかけず、薄味を心がけましょう。
・塩分が多い総菜や加工食品などを選ぶ際は、栄養成分表示を確認しましょう。
・みそ汁を飲む回数を1日1回にするだけでも、塩分摂取量を減らせます。
■カリウムを多く摂るために
・毎食に1皿以上を目安に野菜を摂ることがポイントです。野菜の付け合わせを残さず食べるなど、野菜を積極的に食べましょう。
・果物やいも類、豆類、海藻などはカリウムの供給源になります。
・カリウムは水溶性のため、茹でることで流出しやすいです。調理法を工夫し、生食や加工品をうまく活用しましょう。
◆注意点
・糖尿病の方は果物の摂取を控えめにし、野菜からカリウムを摂取するようにしましょう。
・腎臓病の方はカリウムを制限する必要がありますので、必ずかかりつけの医師にご確認ください。
・薬を服用中や通院中の方、栄養指導を受けている方も、事前に医師に相談しましょう。
